神田職人えにし譚 妻紅 知野みさき
守り袋 咲がよく行く、蕎麦屋・柳川は祖父と耳が不自由な13.4才の少年・孝太がやっている。しろとましろはここの信太が好物だ。いっぱいの信太にお揚げを二枚付けてもらう。孝太を捨てて男の元に走った孝太の母親・ゆうが八年ぶりに帰ってきた。ゆうは三年間東慶寺に入っていたようだ。祖父・清蔵は娘・ゆうを許せない。だが、おつると名乗り柳川で働いている。咲は頼まれて孝太の守り袋を亀の意匠で作った。ゆうと孝太との約束だったらしい。
咲の弟・塗物師の太一23才は菓子屋・五十嵐の娘・桂21才との、婚儀が決まる。師匠の許しがあって独り立ちが決まった。妹・雪も小太郎との付きあいをしている。
修次は、しろとましろは稲荷の神狐だと言う。お賽銭の他に神狐の足下に二人の小遣いを置く。修次は桝田屋に簪を置くようになった。
二羽の雀 桝田屋の主・美弥と手代の志郎がやっと祝言を挙げた。美弥の元夫・誠之助が死ぬ時、側に志郎がいた。二人の祝言の切っ掛けに、咲の竹の意匠の財布が関係していた。誠之助の母親・寿が、二人の後押しをしていた。
妻紅 修次の亡くなった兄・徹太郎の嫁だった篠が再婚することになった。篠は徹太郎が篠のために打った護り刀の袋を咲に頼んだ。五年前、徹太郎はこの刀を胸に受け死んでいた。修次は目貫に龍を彫った。咲は妻紅の意匠にした。爪紅、鳳仙花
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