辻番奮闘記三 鎖国 上田秀人
平戸藩江戸詰め辻番頭だった斎弦丿丞は配下の命より藩を重視したため下級藩士達の反発を受け役目を引いた。家老の病弱だった娘を妻に迎え、さらに出世したことへの風当たりも強く、国元に帰された。妻が懐妊したため弦丿丞は単身赴任する。
三代将軍の御世。平戸にあったオランダ商館が、長崎に移され、平戸から商家が引き上げていた。平戸藩は寂れていた。平戸藩は御上より長崎警護の助役を命じられた。弦丿丞は長崎警備のための視察の仕切りを命じられる。熊沢作右衛門は弦丿丞に、人をどう使うか、長崎商人との付きあいも預けられる。辻番の上司だった、田中正太郎と志賀一蔵も一緒に。
長崎の宿泊所を三宝寺にした。宿の世話をしたいという大久保屋がやってくる。断られた大久保屋は百足の親分に三宝寺への火付けを頼む。弦丿丞たちは火付けを捕まえる。捕まった者の口封じに来た者も捕まえる。長崎奉行所の役人が二人を連れていく途中襲われ二人は殺される。弦丿丞等は予想して先回りしていたが間に合わなかった。襲ったのが辰五郎だということは分かった。辰五郎は逃げた。長崎奉行・馬場利重は、弦丿丞たちに奉行所の手伝いとして辻番を命じる。松平伊豆守にも知らされた。
平戸藩と因縁のある長崎代官・末次平蔵に先代の話を聞く。弦丿丞等は小遣いをせびる松倉の牢人達を斬り伏せる。彼らは謀反を企んでいたとされ晒された。長崎辻番所が人々に知られた。
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