吼えろ道真 太宰府の詩 澤田瞳子
太宰権師 前右大臣・菅原道真は官職を奪われ太宰府に左遷されていた。慟哭と呪詛ばかり口にしていた道真が、管三道と名乗り博多津の唐物商・橘花斎で目利きを始めた。都から連れてきた娘・紅姫と南館に住んでいた。
大宰大弐・小野葛絃、大宰少弐・小野葛根28才、葛絃の甥。父が亡くなり8才のおりから葛絃に育てられる。
昨年京進唐物の中に紛い物が混じっていた。不審を持った藤原俊蔭は書面と実物を突き合わせ内偵した。半数近くが明らかに違っていたため、自ら太宰府に下向し、犯科人を捕らえるつもりで博多津に来る。一緒に、葛絃の息子・好古と阿紀が来た。
俊蔭は詳しい取り調べもなく公文所大典・秦折城を捕まえ京へ連れて行く。
葛絃は太宰府の調度品を検めさす。道真は倉廩を任された。二十年前から収めるようになった善珠が張本人だと判り、葛絃は折城の赦免を願う上申書を書き続ける。折城は帰ってこられるようになった。
阿紀は道真の書に関心を持ち、道真の所へ通い書を習う。京に帰ってからも毎日書いて送っている。葛絃と道真は阿紀の烏帽子名を道風にするかと言う話しをする。
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