2022年12月18日日曜日

父の声 

父の声 小杉健治 

 地元を離れ、東京で暮らす娘・のぞみが、婚約者の本間を連れて帰省した。父親の順治は、二人を明るく迎えたが、娘の変化に不審を抱く。心配になった順治は、娘を追って上京する。のぞみは、覚醒剤に手を染めていた。のぞみは本間を愛していると父親の言葉に聞く耳を持たない。

 麻薬取締捜査一課の調べと交差し、順治は麻薬取調官が本間やのぞみに近づいていることを知る。順治はのぞみのため出来ることは一つしかないと思う。のぞみの友人と会い、のぞみのこれからをお願いする。
 
 本間が「高岡ダルク」を見せたいと順治を誘った。それ以後、本間の姿がなくなった。順治の車が見つかり、携帯が東京で見つかる。警察は奥村順治を探す。高岡と氷見の境の山中で埋められた本間の遺体が見つかった。順治が殺したものと考えられた。

 本間に覚醒剤の運び屋殺人の容疑が掛かった。のぞみが捕まり、消防署に電話をした事実が発覚。本間の逃亡を助けていた。九月のぞみは裁判を受ける。
 のぞみは三週間、精神療養センターに入院した。その後、回復支援センターに入所。のぞみは明るく元気になった。四月、のぞみに会いに来ていた順治が夢に現れ、本間を殺してはいない。証拠は本間が埋められていたところにあると言った。聞いた警察は、本間の遺体遺棄現場を掘る。本間の遺体発見場所の下、奥村順治の遺体が見つかった。順治が握ったネックレスから犯人が判明。逮捕で、覚醒剤の隠し場所も判明した。
 のぞみは鋳物工房のギャラリーで働き始めた。

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