弥勒シリーズ⑪ 乱鴉の空 あさのあつこ
木暮信次郎の屋敷に捕り方が入った。信次郎は居なかった。信次郎は行方不明になった。
尾上町の親分・信次郎についている伊佐治が、大番屋に連れて行かれた。伊佐治のことを知った遠野屋清之介は、伝手を頼って、元北町奉行・中村備前守盛幸の用人・板垣に口利きを頼んだ。
次の日の朝早く、伊佐治は帰ってきた。
清之介と伊佐治は信次郎を探す。伊佐治の知ってる限りの信次郎が何日かで関わった事柄を調べる。
遠野屋・清之介は、信次郎が居るところに気がついた。自分の屋敷にいた。
喧嘩があり、刺された男が逃げた。刺した男は捕まり刺された男は、路地の奥の祠の後ろで死んでいた。信次郎が見つけた袋には、金種一種ずつ入っていた。よくできた偽金だった。死んだ男が運ばれたのは中村備前守の屋敷だった。信次郎は御菰たちを使っていた。
信次郎は中村を揺さぶった。中村家から毎日同じ時刻にさるところにに行く武士の懐を狙った信次郎が、足を洗わせた巾着切りに頼んだ。巾着切りを捕らえた。中身を調べるまでにもみ消された。
信次郎が偽金のことを調べていることを知った公儀が動いた。取り締まろうとする方が信次郎に近づいて来た。揺さぶるために信次郎に捕り方が迫った。信次郎は消えた。偽金を作っている斗滑衆を逃がした。
中村家が雇っていた平倉は、斗滑衆を殺した。関係した女を殺した。追いつめられ中村家を追放され、信次郎に向かった。清之介が木刀で骨を砕いた。
中村家の用人・板垣が切腹した。中村家の後ろにいる公儀の偉いさんも信次郎に近づいて来た公儀の偉いさんも、分からないまま事件は終わった。
ニヒルな同心・木暮信次郎と、深い闇を抱える商人・遠野屋清之介。消えた信次郎の謎、火傷の痕をもつ死体、泡銭を夢見る者たち…。因縁の2人の行きつく先は? 『小説宝石』掲載を加筆修正して単行本化。
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