おもみいたします あさのあつこ
梅17才は、目が見えない。もみ治療をしている。一年先まで予約がある。水茶屋の女将・筆が梅の治療の窓口になり、孫娘・昌8才が、段取りをし、お客に日時を知らせる。
早く治療の必要があると思われた瀬戸物屋今津屋の内儀・清のところに行く。何度も行きほぐしている間に、殺人事件に巻き込まれる。剃刀の仙と呼ばれる岡っ引きの協力をすることになる。
今津屋の娘・松13才が首を絞められ殺されかける。梅の人口呼吸で松は助かる。
十三年前、清の生んだ娘は死産だった。女中の加代は同じ日に今津屋の外で生まれた産婆に金を渡し、子供を取り換えた。それが松だった。今津屋・与三郎も承知だった。十三年経って、産婆が女・吟に話した。吟が知ったことを知った加代は、吟と話す前に吟を殺した。
身体の弱い、弟・上松5才より、松に養子を取って見世を譲る話が出始めた。加代は松を殺し弟・清の息子に家を継がせようとした。
今津屋の先代夫婦は、物取りに合い殺されていた。二人が、清に辛くあたるため加代が、殺していた。
仙五朗と梅は二人で解き明かした。
梅は、五才の時、流産した母を詰る父に反抗し叱られる。泣きながら魔が住むと言われる森に逃げ込み、少年が鳥を射るのを止める。止められた拍子に放たれた矢が梅の目を傷つけ目が見えなくなった。少年は人には見えないはずの者だった。その後、少年は梅の相手をする。老人もいた。
十二才になったとき、梅は、父親が若いとき、出世をすれば初めての子供を捧げると神仏に願掛けをしたことを知った。父親は自分のせいで梅が見えなくなったと思っていた。
梅は家を出た。少年は十丸と呼ばれる犬になり、老人は鼠の姿で過ごす。老人は、梅の手を見てもみ治療を教える。医療も教える。
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