まやかしうらない処② 山本巧次
〜災い転じて福となせ 〜
千鶴は本郷菊坂で「瑠璃堂」を営むニセ占い師だ。
卓抜した観察眼と推理力で客の悩みを見抜き、口八丁で丸め込む。
両替商の駿河屋が引っ越しの吉日を尋ねにきた。千鶴は例のごとく客の望むご託宣を下す。
引っ越し後、江戸に贋金が流れ、出所は駿河屋だと噂が流れた。千鶴は権次郎と梅治に調べさせる。
瑠璃堂に賭場の貸元だという女・蓮が現れた。蓮は権次郎の元情婦だった。蓮は惨殺死体で見つかる。
店奉公の夏が相談に来る。三ヶ月前に言い交わした佐平・金細工職人が、出稼ぎに行くと言い置いていなくなった。佐平さんは如何してるかという相談だった。佐平は十五両の借金があった。七両を返していた。貸していた金貸しが殺された。
他に二人の金細工士が行方不明で、一人の金座職人が、大川で流され遺体が見つからないまま死んだことになっていた。
駿河屋の贋金ことを一人で調べている役人がいた。
賭場で贋金を使った者がいた。蓮は探っていたらしい。
権次郎は一晩で内藤新宿を往復できるところを探った。その夜、瑠璃堂は襲われた。曲者は忍だった。瑠璃堂には仕掛けがある。
鐘撞き堂のような丸太が出る。屋根が開き宝珠が落ちる。障子の内側に鉄板で裏打ちのある板が落ちる。座敷が沈み込み穴に落ち菊坂に落ちる。
捕まった者は金で頼まれたとしか言わなかった。
現在の勘定奉行は元御庭番支配だった。今、金の吹き替えをするかどうか二つに分かれて話し合いがなされているという。勘定奉行が金の吹替えをさせるために贋金を作っているのではないかと結論づけた。量が少なく儲けが目的ではなさそうだ。
職人がいる百姓家を見つけ出し、八州廻りを動かす。その前に佐平を連れ出し夏と共に上州へ送り出した。
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