2023年7月14日金曜日

北の御番所反骨日録〈七〉 辻斬り顛末 

北の御番所反骨日録〈七〉 辻斬り顛末 芝村凉也

 裸の死人 小普請の御家人 の若侍が裸の死体で見つかった。親戚筋が養子を取り病死で方をつけようとする。若侍の許嫁・小夜が、裄沢の前に現れ、何故彼・村田健志郎が亡くなったかはっきりさせてほしいと頼む。
 村田は、百人組に登用されることになっていた。昔の役どころ・与力、玄米取り八十石となるはずだった。親戚が同心で一緒にと願った。村田の出費で祝いの席を開かさせ、これからの同僚・上役の接待をさせられた。村田に無体を働いた。そして村田は死んだ。
 判ったことを、村田の親戚、小夜を集め、裄沢は話した。小夜は後のことは自分には関係がないこととしたが、演席代七十両は、新しく村田を継いだ養子に払わせず、親戚筋で払うようにと注文を付けた。
 小夜は大奥に奉公する。裄沢は、五年先、十年先に、百人組の組頭や高梨与力に復讐する気かなと考えた。

 痴情の死 物乞いのような僧が、あだっぽい女を路上で刺し殺した。調べた筧も藤井も何も分らない。僧は真ともに答えない。
 裄沢は、二人は盗賊仲間ではないかと言い出し、調べ方が変わり盗賊集団を見つけ捕まえられた。隠れ家が寺であったため寺社奉行まで引っ張りだした。
 裄沢を引き立てようとする声が上がる。

 辻斬りの顛末 三、四件の辻斬りがあった。何も残さない。どこに現れるか判らない。そんな時、裄沢が、今度は吉原辺りだろうと推察する。張り込んでいた所に辻斬りが現れ、下っ匹が殺される。近所に煙草入れが落ちていて初めて手掛かりを掴んだ。
 浮かび上がったのは宇和島藩抱えの漢学者・乱艟。将軍の父親・治済のお気に入りだという。奉行所は手を出せなくなった。
 裄沢は、ずーと張り込んでいた見張りを外し、裄沢が囮になって乱艟をおびき出す。浪人姿の来合と代わり抜き打ちしてきた乱艟を来合が斬り捨てる。
 辻斬りをしようとして今回は斬られたと見られた。一ツ橋家は何も言ってこない。裄沢は謹慎した。
 裄沢をどうするか考え中。

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