闇医者おゑん秘録帖③ 残陽の廓 あさのあつこ
おゑんが武士から預かった由利が自殺した。子が授かり体力が落ち、死ぬか生きるかの堺を越、子を亡くし、それでも生きると思い始めていたにも関わらず、自裁した。
五年前に別れた兄に会ったから。兄・甲三郎は、吉原の首代になっていた。由利も甲三郎も自分を卑下し名乗り会えなかった。ために由利は死んだ。
甲三郎は吉原で変わった死に方で亡くなる者が続いたためゑんに診察を頼んで来た使者だった。ゑんの元で働く末音が、毒・越冬虫だと見抜いた。誰かが、越冬虫の毒としての効き目を吉原で試していると考えた。また、越冬虫を使って強請ろうと考えたのではないか。使っていた占い師は自死した。占い師は十年前の花魁と大名の殿様との相対死の殿様の家来だった。お取りつぶしになった恨みだったようだ。
ゑんが狙われたのは、占い師と結託した、美濃屋の番頭の命令だった。美濃屋の番頭は好きだった花魁の仇討ちだったと言う。
小夜は姉花魁の死を見ていた。殿様が、丸薬を花魁に飲ませ眠ってから咽を突き、それから自裁した。小夜は丸薬が入った印籠を大事にしまった。小夜はゑんに印籠を渡す。
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