2023年10月22日日曜日

からさんの家 伽羅の章

からさんの家 伽羅の章 小路幸也 

 神野まひろ 20才 実の両親は離婚、父は再婚したが、新婚旅行中に事故死。再婚相手である義母の妹・神野ひろみの養女になる。高校卒業と、ひろみの結婚を機に、結婚相手の義祖母の家に住み、彼女・三原伽羅のマネージャーをしている。
 三原伽羅 74才 〈みはらから〉のペンネームで文筆家、詩人、画家として活動するアーティスト。まひろの義母の結婚相手・三原達明の母。
 永沢祐子 52才 十五年来の三原家の住人。ジャズシンガー。スナックのママ
 ヤマダタロウ 37才 三原家の住人。アーティスト
 野洲柊也 25才 三原家の住人 北海道出身、会社員
 水島レイラ 出版社編集長。新人の頃から三十年近くからさん担当。
 黒田晋 まひろの実母の再婚相手。建設会社社長。
 三原駿一 伽羅の兄の息子。刑事

 まひろがこの家に来て三年になった。
 一年掛けてまひろが書き上げた「匂い立つ 三原伽羅自伝」が売れた。ドラマ化され連続ドラマになった。現在の伽羅は本人が出演、この家で撮影され、まひろも住人もエキストラのような形で出演した。
 まひろが、柊也と付き合い始めて一年半。
 伽羅の乳がんの転移が発覚。副作用で身体や心がどうにもならないような治療はしたくない。普通に暮したいと言う。
 まひろと柊也と伽羅と三人で北海道へ行く。まひろは柊也の母親の盲腸での入院の見舞いがてらの顔合わせのために旭川へ。伽羅さんは、息子夫婦へ身体のことを話しに。 
 柊也の母親との話は自然父親の話しになる。柊也は父親を知らない。不倫だったようだ。男性は、子どもの存在を知らない。息子だと知らせないで合いに行くことには、反対はしなかった。 
 ひろみが、まひろを養女にした時。ひろみはまひろの母親と思ったことはないと言う。可愛い愛する姪っ子。まひろを母を亡くした可愛そうな子と思ったこともないと言う。
 祐子は駿一と一緒に住むことになった。    
 タロウがアトリエに使っている鉄工所の一部を音楽ホールにする。アトリエとギャラリーと音楽ホールと。設計は柊也がする。
 タロウの店ができ上がる日に、お店で、まひろと柊也の披露宴をすることにした。
 柊也は、母親が勤めていた会社を聞き出した。上司の名前も調べた。父親がどんな人か、迷惑にならないように会って来ようと思う。柊也は友人の仕事を借りて、まひろがインタビューの形をとって、七十になっている父親と話した。彼は柊也と似ていた。
  タロウの〈ホール〉のオープンの日、柊也とまひろの結婚式の日。
 〈ホール〉はギャラリーであり、ライブホールであり、カフェとバー。タロウの住み処であり、工房である。
 参列者は、達明とひろみ、柊也の母親・実里、実の祖父母・西野忠親と駒子、黒田晋、祐子と駿一、水島、タロウの兄夫婦と息子、二人の同級生、二人で誓いの言葉は、伽羅の詩を、まひろが自分の言葉にした。新婚旅行はパリ。
 三人の生活が始まった。 
 
 



0 件のコメント:

コメントを投稿