めおと相談屋奮闘記⑩ 親と子 一旦区切り 野口卓
捨子行 波乃の姉・花江の子どもが産まれた。元太郎と名付けられた。
波乃も懐妊した。
誠と三吉が、訪れ、流行の捨子行を熱演した。誠が詩吟を吟じ、三吉が芸をする。これを考えた太鼓持ちに演じる許可を貰いたいと言う。
捨子行を考え出したのはぺー助師匠だった。暗い原正弘の「棄児行」という詩を即興で笑いに持っていった。原さんにも許可を取っている。信吾は猿回しの猿が演じる許可をもらった。
伝言箱の下に捨子があった。幸吉とい生まれて一週間くらいか。甚兵衛の知り合いの、赤ちゃんを亡くしたばかりの大工のおかみさんに貰い乳をする。おむつを貰う。信吾と波乃は、このまま赤ちゃんを育てて行こうと話す。
大名の留守居役・蟻坂が、留守居役の集まりで、留守居役たちを満足させる出し物はないかと相談にくる。信吾はぺー助師匠と三吉の共演を思いつき、ぺー助師匠と誠に話す。二人は喜ぶが、決まった座敷があり、許可がいる。もし競演が出来れば、後日、自分の座敷でも競演することという条件が付いた。二組の競演は決まった。
兄と弟 大店の跡取り息子が相談に来る。何を相談しているのかはっきりしない。弟から相談があった。気の弱い兄が、しっかり者の腹違いの弟に店を乗っ取られると思い込んだ悩みだった。父親も息子の気の弱さを考え、はっきり言えないでいた。
信吾は、弟の気持ちを知り、兄に、自分が考えたように話す。兄が店を継ぐことになり、弟は一番番頭と決まった。相談料として十五両入った。弟は妻を娶る。二人のお祝いに使おうと思う。
新しい親子 巌哲和尚に、幸吉のことを相談すると、周りの声に振り回されず幸吉が幸と吉を得られるかを頭に置いておりさえすれば誤ることはないと言われる。毎日、波乃が、ムメ姉さんの所にいくか、ムメ姉さんが波乃の所にくるかして、貰い乳をしている。雨が降り、波乃だけが帰ってきた翌日、幸吉は、波乃の元に来るのを嫌がった。波乃はショックを受ける。
ムメの夫・鉄五郎が、幸吉を養子にしたいと言ってきた。
波乃はおむつを持ってムメに会いに行った。
信吾は、本当の親が来ても、養父母の名前と住まいを言わない決心をした。
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