とりもの 時代小説傑作選 細谷正充
雪花菜 梶よう子 商い同心 千客万来事件帖
北町奉行所同心・澤本神人 妹の子・多代を育てている。
稲荷寿司の屋台の親父が芝居小屋を倒した男。狐面を付けて稲荷寿司を売る。顔を隠しておからの稲荷寿司を売る。近所に我が娘と息子がいる。二人で暮している。縄を切ったのは弥助でないことがわかり、面を付けた親子で稲荷寿司の屋台を引くようになる。
庚申待 麻宮好
作造は、娘を殺された。娘の殺された時の匂いをたぐり犯人を突き止めた。娘を殺した証し、作造の作った簪をとっていた。犯人の傍らにあった簪で、殺した。
子どもを勾引かし絵を描き、殺し、簪を残した男が殺されて見付かった。一人だけ簪の無い絵があった。吾一親分と勇吉の足音が作造に近づく。
庚申の夜、作造は娘に、話した。
寿限無 浮穴みみ
父と母が亡くなり、武家屋敷を出た兄妹は、幼童手跡指南所を開いた。兄・数馬は体格も良く、武芸に秀でているが、学問を殊更好んだ。興味のあることに一途になる数馬ではなく、妹・奈緒で持っている指南所だった。京の陰陽道家の赤ん坊が江戸の武士の下で育っている。その赤ん坊を公家が探しているという。数馬ではないかと思われ調べられた。腰に火傷の後があると言うのだか、数馬には無かった。数馬は知っていた。奈緒だった。長寿を願うジュテム
だんまり 近藤史恵
まげ切りが頻発していた。南町奉行同心・玉島千蔭と八十吉が調べていた。今までは北町だったが、四度目は南町になった。四度目は、今までと違うと考えた。
鈴という女を預る。兄の借金のために売られるという女だった。鈴は身を売る決心をして紹介された吉原の店に行く。兄にお金を渡すが、兄は金を返し姿を消す。兄が四度目の髷切りだった。弱い男が強くなるために他人の髷を切る。そうすれば強くなれると教えられやったことだった。手向かわれた兄は、相手を傷つけた。殺してしまったと思って逃げた。兄・権三に教えた男は判った。権三は鈴に人を殺してしまったと手紙を書いて来た。
抜けずの刀 西條奈加 善人長屋
梶新九郎、若い娘が殺され、新九郎が捕まった。新九郎が犯人ではないと善人長屋の者が犯人探しをする。捕まえてみれば新九郎が、身分を捨てなければならなくなった昔の事が関係していた。友達の妻になる人を誘惑し、関係を持ったと言われたために家をでなくてはならなくなった新九郎だが、誘惑も関係もなかったと話す新九郎。友達は知っていた。女がかってに新九郎を好きになっただけだということを。それを誘惑や関係があったとしたのはその男だった。そして今回、犯人が新九郎になるように女を殺していた。
0 件のコメント:
コメントを投稿