2025年10月7日火曜日

法医昆虫学捜査官⑧ 18マイルの境界線

 法医昆虫学捜査官⑧ 18マイルの境界線  川瀬七緒

 捜査分析支援センター 鑑識操作での技術開発のエキスパート・波多野。プロファイラー・広澤春美。法医昆虫学者・赤堀涼子。

 ゴルフ場の林の中で、刺殺され、殺されてから、頭と顔の骨を砕かれ、歯を抜き取られ灯油をかけ燃やされた遺体が見付かった。手足も炭化するほど燃やされ、身元の調べようがなかった。60才ぐらいの女性とわかった。
 赤堀が呼ばれ捜査に加わる。担当は、岩楯と深水。
 解剖医が残した、遺体に付いた虫、虫の卵から死亡推定日時を割り出す。殺された場所から移されていること、移す時に遺体に熱湯をかけられウジを殺そうとしていること。場所を移されたのは、発見直前だったということ。キノコバエに寄生する虫がいたこと等。

 ゴルフ場の遺体と同じような損傷を受けた遺体が、相模原の解体スクラップヤードで見付かった。岩楯と深水は、解剖の終わった遺体を見に行く。刺殺され、歯を抜かれ顔を潰され燃やされていた。死亡時期も同じ、同一犯の犯行で間違いない。
 解体スクラップヤードは不法投棄場だった。
 二件目の事件の一週間後、焼却されていると思われていた虫がまだ残っていた。赤堀は、解剖室で虫の死骸を分別した。やはりキノコバエに寄生する虫がいた。
 赤堀は、キノコ栽培の場所ではなくキノコが自生する山林に遺体は置かれていたと分析する。
 ヤードの裏の木が枯れてきたという林を訪れ、赤堀は、ツチクラゲというキノコを見つける。このキノコに因って木が枯れる。ツチクラゲ発生の原因は火だった。遺体を燃やした時に菌糸を刺激したのだろう。
 遺体に火を放った場所は、ここと同じように木が枯れているだろう。また、火元に飛んでくるツメアカナガヒラタタマムシの目撃情報と合わせて場所を特定しようとする。
 岩楯と深水は、ゴルフ場と解体ヤードと両方に関係する人を探す。ヤードは近所の人が出入りを調べるため監視カメラを付けていた。ヤードを片づけるための問題定義行動も成されていた。
 目撃情報に近い公園の展望台から、双眼鏡を覗き、円形に枯れている森を見つけた。赤堀と波多野は、森に行く。森の持ち主と枯れ木の話をした。ツチクラゲを見つけた。警察の人間とわかった途端、大振りの金槌を振り上げ赤堀に振り下ろす。波多野はスタンガンを夫に押し付けた。波多野は二人を逮捕した。

 二人は、森でレストランを開こうとしていた。そんな場所に遺体置かれていた。二人は死体損壊をして捨てた。岩楯と深水も同じ夫婦に目星を付けていた。
 森の近所の失踪者のマンション部屋のペットカメラの映像に二人の殺される現場が映っていた。近所の聞き込みで映っていた犯人を特定し捕まえた。

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