2025年10月13日月曜日

前略、山暮らしを始めました。7

前略、山暮らしを始めました。7 浅葱 

 佐野昇平26才 山暮らしを始めてまもなく十一か月。

 ニワトリは陸奥さんちに主張中。ソウギョの料理を食べる。もう陸奥さんちも終わりにしようという日、ニワトリはハクビシンの住み家を見つけてきた。小屋に住着いていた。7匹捕まえる。近所の家にも住着いていないか点検。三匹捕まえ、四匹ほど山に逃げたようだ。ハクビシンの料理で宴会。

 ひな祭り、ユマとタマは湯本さんのおばさんから半纏をもらい写真を撮る。桂木姉妹は湯本さんちに三泊四日する。
 湯本さんの山と西隣の山を見回ることになった。西隣の山は本山さんの山だ。
 相川さんのところで炭焼きをする。炭焼き小屋は山の麓にある。昔ここに住んでいた人たちの手作りの窯。年季が入っている。結城さんと窯を見張る。炭が貰えるので濾過装置を更新するつもり。ポチとタマは「サノ〜クサイ〜」と言って寄って来ない。翌日、半年前に作った炭焼き窯を開けた。今回の炭窯は半年後に開ける。
 ニワトリを買った稲荷神社にありがとうと言うと、「うちじゃなない〜」と言われた。佐野は、いつも気にかけていただいてありがとうございます」と山頂に手を合わせる。ふわりと風が吹く。
 湯本さんちにニワトリ派遣。みんなで、遅くなってからイノシシを吊って帰ってきた。元木さんは自分が見たのはこんなに大きくなかったと言う。湯本家に泊まり、明日も山に行く。
みんなが山に行っている間に、昇平は、おばさんの手伝いで倉庫の片づけをする。
 明日は宴会。昼間は、おっちゃんと本山さんで山の草刈りをするらしい。墓掃除に行く。
 宴会の次の朝、イノシシ鍋の後の汁の雑炊だった。ユマとタマの卵を使っていた。
 松山さんの養鶏場へ、ニワトリの餌を買いに行き、お昼をご馳走なる。夕方、ユマがシカと言って帰ってくる。秋山さんと結城君が来てくれ二頭を回収する。三日後松山さんちで宴会だ。相川さんと桂木姉妹を誘う。
 松山さんちには、山唐さん夫婦が連れてきたトラがいた。にゃーと鳴くトラという名前の大きな猫だった。獣医の木本さんもいた。昇平はトラにも挨拶をする。ポチもタマもユマも予防接種を受けた。山唐さんは隣町でレストランを経営している。シカ料理を教えてとお願いしたそうだ。去年の夏の初め引っ越してきたらしい。夏祭りで子猫を売っていて買ったのがトラだそうだ。朝、ニワトリがトラを突いて大騒ぎになった。トラが卵を食べてしまったからだった。
 翌日、ポチとタマが、手入れが終わった湯本さんと隣の山へ行く。イノシシを捕まえたが、本山さんはもっと小さかったと言う。翌日、本山さん家族と宴会になった。
 宴会の翌日、朝からニワトリがイノシシを二頭狩った。本山さんが解体費用を出し、内蔵はみんなニワトリが貰った。後の肉は本山さんが考える。宴会は明後日。これでニワトリの主張が終わった。おっちゃんがサワ山の麓に山菜取りに来た。
 一年が過ぎた。

0 件のコメント:

コメントを投稿