2025年10月10日金曜日

前略、山暮らしを始めました。6

前略、山暮らしを始めました。6 浅葱

 佐野昇平25才 山を二座買い、暮し始めて九か月経った。三羽のニワトリはしゃべり、イノシシを狩る。東隣の山には桂木実弥子さんと妹・リエちゃんが住み、大トカゲのタツキが飼われている。冬の間は、町に住んでいる。西隣の山には相川克己さんが、大蛇二匹と住んでいる。一疋は雄のテンで、一疋は、雌のリン・彼女は上半身は人間 だ。タツキもテンもリンも片言しゃべる。

 一月八日、新年最初の狩の日、昨日見つけたイノシシの痕跡へ、ポチとタマが案内する。山の東側で狩ったイノシシは、湧き水が出ている池になったところに沈めてくる。昇平は行かない。陸奥さんの猟師仲間・戸山さんと隣の相川さん。解体師・秋山さんに連絡して来てもらう。明日、湯本さんで宴会を開く。おばさん何時も済みません。湯本さんへの手土産を考える。寝る前に、山の神にイノシシの礼を言う。
 次の日、土曜日、陸奥さんと、川中さんと畑野さんも一緒に来る。朝、タマが昇平の上に乗り起こす。今日の猟は、何も無し。イノシシとシカの痕跡が東の山に繋がっているらしい。桂木さんに連絡を取る。今日は泊まりで湯本家に行く。
 西のはずれに和菓子屋が出来た。おじさん夫婦と若い女性の親子でやっている。
 泊まりの明けは、タマとユマの卵が大人気。
 桂木さんが家の様子を見に帰る。タツキは冬眠中、タツキとタマは仲良し。リンとユマは仲良し。
 毎日、猟に出ている。昇平は買いだしに。ニワトリの餌を買っている養鶏場が卸している、味付けした蒸し鶏をパウチした物を買う。お試し価格。感想を伝える。豆腐屋で買い物をしてニワトリの餌にもなるおからを貰う。
 イノシシとシカを狩った。土曜日、シカ肉が湯本家に届く。湯本家で宴会。イノシシや、シカの内臓はニワトリたちが食べる。昇平の取り分の肉は、昇平とニワトリが食べる。
 昇平が解体費用を払おうとするが、秋本さんは取らない。
 翌朝は雪。早めに山に帰る。相川が、リンを連れて佐野家の除雪を手伝う。
 夜、昇平は、ユマとお風呂に入る。ユマが大きくなり一緒に入るのが無理になってきそう。
 松山さんのところへ鶏肉を買いに行き、ポチとユマは、イノシシを家近くに追い込んで狩った。みんなで雪を被せて冷やす。秋本さんに来て貰う。明日の夜、秋山さん宅で宴会になった。宴会の日、ニワトリたちは、松山さんの山で、何だか判らない者に出会った。
 相川さんの裏山に猟友会のメンバーとニワトリが行くが、何もいない。一週間ほど行くが、何もいなかった。リンに聞くと大勢が来て、みんなで国有林の方へ行ったという。
 節分の大豆をニワトリたちは喜んだ。
 陸奥さんにニワトリを一週間ほど貸し出す。
 玄関の前に、四阿を作りたいので大工さんを紹介してもらおうとすると、湯本さんや相川さん、陸奥さん等が集まり、昇平の誕生祝いだと二日で作ってくれる。玄関前の脇に床がセメントで四本柱にトタン屋根の電灯付きの四阿が出来た。寒ければ周りを囲ってニワトリを洗える。コンクリートにユマの足型が付いた。
 相川はバレンタインに佐野に手作りのチョコレートケーキを渡す。
 ニワトリたちは、陸奥さんの林でシカ二頭を狩る。
 リエが運転免許試験に合格した。姉妹で山中さん家に泊めて貰っているが、陸奥さんのところにも泊めてもらうらしい。
 ニワトリが、アイガモを二羽ゲットした。
 


 

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