2025年10月24日金曜日

奥様姫様捕物綴り〈三〉 入るを増やして出ずるを為せ

 奥様姫様捕物綴り〈三〉 入るを増やして出ずるを為せ 山本巧次

 美濃御丈藩の正室・彩智の実弟・堀川正泰が藩主の下総猿原藩で、留守居役が切腹する事件が起こる。新田開墾にまつわる公金横領の責を取ると遺書を残していた。彩智は娘の佳奈姫を連れ、正泰を訪れ、事件の真相を明らかにすると約束する。
 猿原藩に金を貸し付けていた両替商が自死したと報せが入る。
 
 両替商の事件にに付いて、八丁堀同心・萩原に聞く。主は殺されたようだ。猿原藩に金を出している総まとめをしているような位置付けの主だった。猿原藩の者とお金を横領し遊興費にしていたようだ。
 二人の調べで、留守居役は、自分が開墾しようとした土地が塩害の土地と判り、申し訳なさに切腹していたとわかった。遺書は改竄されていた。元右筆茂川が、自分の横領を隠すため留守居役の遺書と取り換えた。ひ頃から留守居役に代わって書類を作成していたため、筆跡の鑑定で判らなかった。
 商家の主の調べをしている途中、侍に襲われた。佳奈は一人の者の腕に傷をつけた。その者が証拠になった。
 
 二人が真相を話した後、正泰は、新田が駄目になったのなら、綿の加工に金を使おうと言った。

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