2025年11月2日日曜日

湘南起動鑑識隊朝日奈小雪② 殺意の断片

 湘南起動鑑識隊朝日奈小雪② 殺意の断片 鳴神響一

 湘南地域で発生した事件に二十四時間対応する最強の鑑識部隊「MFU」。朝日奈小雪が所属する第二班に出動命令が下った。江の島署館内の片瀬画廊で撲殺体が発見された。被害者は画廊のマネージャー。現場保存を進める中で、小雪は、遺体周辺に撒かれた破片を見つける。
 破片が絵画、油絵、アブストラクト・ペインティング、インパクト技法によるマチエール。キャンパスの三分の一を九つに切ったものだと判った。絵は十年位前に描かれた物。描いたのは「A・Y」。絵は、波濤の叫び。作家は山本彩花。小雪の大学の先輩と判る。十年前に自殺していた。
 10年前、片瀬画廊で「湘南アート・ライジング」というイベントがあり、詐欺罪で訴えられていた。新人画家たちが何人も訴えていたが、美味しい文言は契約書には無く、口約束で証拠がなかった。と言う事実が判明。
 その中で、片瀬画廊のキュレーター・小峰美樹が撲殺された。現場で保存作業をしていた小雪は、また絵画の断片を見つける。そして、被害者の血痕や汗や唾などを奇麗にふき取り絵画の断片を撒いたことに気が付いた。モップの後、モップの糸ゴミを見つけた。
 10年前、調べられたのが片瀬画廊の、マネージャー、キュレーター、社長の三人だったことで、今度狙われるのは今、入院中の社長だと思われた。
 刑事部は違った観点で動いているため、小雪を連れて聞き込みに廻ってくれた向井と一緒に罠を仕掛け今夜という日に待つ。社長を殺そうとする男を捕まえた。
 彼は、詐欺に遇い自殺した恋人・彩花の復讐のため、清掃会社に入り、片瀬画廊の清掃に携わりながら機会を狙っていたのだった。

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