ふくろう 梶よう子
判鍋二郎 家禄三百石 西丸書院番士になったところ。妻は剣道師範・高萩惣吾の娘。
鍋二郎は自分の顔を見て、土下座して謝る男と出会い、自分の出生を調べはじめる。
惣吾から話しを聞く。惣吾は実父の親友だった。
二十数年前、父の名は松平外記 西丸書院番士になり苛めにあう。妻にまで及んだ時覚悟を決める。次男のためのふくろうの根付けを作り上げ、城内で刀を抜き、五人を殺し、自死した。惣吾は外記が殺せなかった黒幕二人を殺そうとしたが、外記の妻に止められる。外記に対する苛めを認められ、書院番の悪しき慣例が正されたのだから。松平家は長男に継がされた。次男は養子に出された。次男が鍋二郎だった。
文政6年 卯月22日 ふくろうの根付けが仕上がった日
鍋二郎は生きている一番の悪だった者を殺すつもりで会いに行くが、溺れかけた彼の孫を助ける。自分の名前を聞かれた時、結局、外記の名を出さず、判鍋二郎と名乗る。
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