上絵師 律の似面絵帖⑤ つなぐ鞠 知野みさき
涼太は、睦月の事件・青陽堂の茶葉に古茶を混ぜた者がいたことで評判を落とした青陽堂の信用を取り戻すために頑張っていた。
律が考案した巾着の絵柄・鞠が人気商品になった。鞠の中の絵の注文があったり、子供の着物の注文がある。一回に五枚しか巾着を作らないので順番待ち、くじ引きになったりする。
涼太と律の婚礼が、文月の薮入りの前日・十五日に決まった。
鞠の中に文具の絵を注文した史織には、好きな人がいるが親の決めた縁談が整ったと言う。好きな人の似顔絵を描く。定廻りの広瀬保次郎だった。広瀬も本屋で会う史織が好きだった。整っていた縁談を壊して二人は水無月の六日に祝言を挙げた。
祝言の前日、鬼子母神にお参りに行った香と護国寺にお参りに行った旗本本田家の秋彦が勾引かされた。犯人を捜す律は、犯人の持ち物が自分が注文で描いた鞠巾着だったことで犯人が特定できた。犯人を捕まえた。犯人は本田が調べている小普請奉行に頼まれた下役の三浦の妻と三浦の部下だった。
香は妊娠した。律の祝言は一月延びた。
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