2020年11月28日土曜日

いちねんかん 

いちねんかん 畠中恵 

 長崎屋の主・籐兵衛と女将・たえはおきの・たえの母ぎんの招待で別府温泉に行く。

 若旦那・一太郎が、色々小袋に入れ取り合わせた藥袋を売り出したらどうかという案を出した。大番頭の忠七が大乗きで話を進めた。町名主の手代に五十両を持ち逃げされた。手代の行き先は突き止められるが、若旦那は表沙汰になると余所に迷惑が掛かることになるので、持ち逃げされたことは終わりとする。藥袋は作るつもりだ。

 京の十丿川屋の番頭が、紅餅の買い付けに来た。貧乏神・銀次が番頭は偽物だと見抜く。番頭は偽の送り状で着いたばかりの紅餅を余所に送ってしまう。長崎屋の者が荷を追うが、荷は長崎屋の手を離れていた。若旦那は紅餅をあきらめ、偽番頭の手に渡るのを防ぐため川に荷を沈めろと背中を押した。

 西から江戸へ疫病が入ってきた。長崎屋には「香蘇散」という疫病に効く藥がある。長崎屋に疫鬼達が来た。疫病神が来た。疫鬼は自分たちが疫病を流行らせたと言う。疫病神は自分が運んできたと言う。若旦那を殺した方が正しいということでやり合う。鳴家たちは大国主命に助けを求める。大国主のところに来ていた大禍津日神様が長崎屋にやってきて疫鬼と疫病神を連れて行った。大禍津日神様こそ日の本全ての災いを統べる方だと言う。

 大阪の薬種の大店・椿紀家から親交を深めたいと申し出があった。本店椿紀家の娘婿を選んで欲しいと言われる。椿紀家の若旦那は疫病で亡くなった。次に罹った娘は、長崎屋の藥を飲んで助かったのだった。候補は大阪両替椿紀家の次男、京紅椿紀家の次男、京の薬種椿紀家の四男だった。若旦那は江戸両替商椿紀家で、一緒に住み、選んだのは京の紅椿紀家の三男・昌三だった。昌三は江戸椿紀家で奉公していた。

 もうすぐ二人が帰ってくると頼りがあった頃、長崎屋に押し込みが入る。佐助と二吉が離れに閉じこめられた押し込みの上に天井板を落として捕まえた。

二人は帰って来た。


 

 

 

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