新・秋山久蔵御用控〈八〉 偽久蔵 藤井邦夫
偽久蔵 秋山久蔵を名乗り、如何様の賭場荒らしをし金を巻き上げる。悪質な質屋で安い質草で高い金を請求する。偽久蔵は久蔵の少年時代の知り人・黒木宗一郎だった。久蔵の名を語り恐喝している場に踏み込まれ久蔵に斬られる。手当てを受けたが食事を拒否し死んだ。黒木は、誰にも媚び諂わず誰とでも拘りなく付き合える秋山を羨ましく思っていた。
家の恥 旗本二千石の次男・葉山孝次郎が殺された。孝次郎は奉公人と一緒になったため家の恥と勘当されていた。葉山家から誰も来なかった。茶屋をしているさきが葬式をする。孝次郎を殺したのは葉山家の若・京一郎だった。強請集り、町娘の付き纏いをする京一郎を諌める孝次郎を殺したのだった。呼びつけた葉山兵庫に久蔵は家の恥は京一郎だったと言い放つ。京一郎は切腹、兵庫は隠居、家禄は半減、京一郎の弟が家督を継いだ。
恨み節 弥平治が二十年前に捕まえた原田伝七郎が八丈島で死んだ。情婦のつたが伝七郎が死んだら弥平治を殺すと言っていたため、つたを探す。つたは死んでいたが、二人の娘が髪結いになって弥平治を狙っていた。母親の願いを叶えてやるのが親孝行なら、供養を続けるのも親孝行だと諭す。
隠し顔 太鼓持ちが殺された。薬種問屋の主・伝次郎が御家人の妻と出会い茶屋で会っているのを見たため殺されたと思われたが、妻は死病の夫のため阿片を手に入れるため伝次郎とあっていた。伝次郎は太鼓持ちに強請られ、殺した。御家人の妻も殺そうとして捕まった。久蔵は阿片を妻に返す。御家人が死んだ時、妻も胸を突き自害していた。
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