不思議カフェ NEKOMIMI 村山早紀
魔法の始まり 一人暮らしの律子50才の元に昔死んだ猫・メロディが生まれ変わって帰って来た。頭痛がし、医者に行こうとする寸前、倒れた。下駄箱の上のランプの魔神に、今日が命の尽きる日だと教えられた。魔神が死なない命と、人を楽しくさせる力をもらい、メロディと暮せる魔法をかけられた。人ではない者になった。スケッチブックに書いていた夢の自動車で育てていた植物たちと一緒に旅立った。
不思議カフェ NEKOMIMI 村山早紀
魔法の始まり 一人暮らしの律子50才の元に昔死んだ猫・メロディが生まれ変わって帰って来た。頭痛がし、医者に行こうとする寸前、倒れた。下駄箱の上のランプの魔神に、今日が命の尽きる日だと教えられた。魔神が死なない命と、人を楽しくさせる力をもらい、メロディと暮せる魔法をかけられた。人ではない者になった。スケッチブックに書いていた夢の自動車で育てていた植物たちと一緒に旅立った。
はぐれ武士・松永九郎兵衛 商人殺し 小杉健治
松永九郎兵衛は、自分に覚えもない商人殺しで捕まった。知人・半次から渡された紙入れが証拠となる。二ヶ月後、商人殺しが判明したと解き放ちになる。犯人・蓑田三郎は入水自殺したと言われた。九郎兵衛の知人たちも姿をくらましていた。
駅の名は夜明け 高田郁
トラムに乗って 身体が弱かった娘・由希を亡くし一年、真由子は思い出のウィーンへ。娘もきたがっていた。夫との別れを考えた真由子の前に夫が現れる。喜んだ由希が見えた。
黄昏時のモカ 美津子72才、ウィーンで親切な爽やかな青年に声を掛けられ案内をしてもらう。日本語を習っているという。詐欺師と思ったことを心の中で謝っていた。買い物袋とバックを持ったまま彼はいなくなった。亡夫の写真だけが心残りだ。ごめんなさいを言っていた。彼は煙突掃除人の小さな人形と豚の形のチョコレートを買いに行っていた。
子どもの世界 大人の事情 小学四年生の圭介。父と母が離婚し東京から大阪に転校する。流氷を見に行こうと言っていた父がいなくなり一人で行きますというハガキが当選し、旅行がプレゼントされた。もう流氷がない季節だったが、オホーツクの海を前に、圭介は父親に電話する。前みたいにパパとママと三人で暮したい。駅のレストランで泣き疲れて眠った圭介。次の日、パパが来た。父親はごめんよと圭介を抱いた。
駅の名は夜明け 慢性心不全を抱える俊三、パーキンソン病の妻の富有子。介護保険制度になって今まで受けていた介護を受けるために一月十三万三千三百八十円が必要と言われ、俊三は富有子を連れて帰らないつもりで旅に出た。山の中の駅に降り、駅の名前が夜明けと知り、帰る気になった。
夜明けの鐘 杏子と翠は久しぶりに旅行に出た。父母の看病で毎日過ごし独身の杏子、七才年下の後輩と結婚した翠。夫は会社を辞め、大学に入り直す。三年浪人して私大に入り来年卒業予定。一切の金銭を翠が出している。そして若い彼女ができた。翠は別れる決心をする。
ミニシアター 車両にいる乗客。祖父が抱いている孫から悪臭が発せられると思われたが、同じタイミングで老女が鞄の中にねこをいれていることが分かる。じいじにゃあにゃという孫を老女から離れた席に移す祖父。アトピーの高校生、アレルギーのコンパニオン。夫の納骨に行った墓にいた猫、生後一ヶ月ぐらい。一人暮らしの私に夫がよこしたように感じてという老女。車掌が来た。窓を開ける。鞄を隠す。香水を振りかける。高校生は携帯電話を掛ける。終着駅が来た。降りた老女はお礼を言う。車掌はぼろぼろの籐のバスケットを持ってきた。祖父は大番のタオルハンカチを出す。
約束 売れっ子作家が電車に飛び込む寸前、女に止められた。私の五十歳の誕生日という女と指切りをして別れた。体験をもとに本を書きヒットする。彼女を探し年上の彼女と結婚するが全く合わない。また書けなくなった作家は、作品が貧乏臭くなったのはおまえの所為だと言った。彼女はいなくなった。作家は彼女が作る駅蕎麦を食べ彼女に謝る。
背中を押すひと 妹の医大の合格発表の日、母親を突き飛ばして怪我をさせ家を出た。十一年が経ち、妹は医者になった。妹が会いにくる。父が長くない。会いに帰ってという。時彦は帰る。父を負ぶって屋上に出る。謝る時彦に父は、折角の一生じゃけい大事に生きろ。俳優を夢見て出た時彦だった。今は劇団の大道具を任せれていた。背から降りた父は、辛うじて立ち、あの二人を頼むと言い、時彦の背を押す。
脳科学捜査官・真田夏希⑯ シリアス・グレー 鳴神響一
脳科学捜査官真田夏希⑮サイレント・ターコイズ 鳴神響一
鯖猫長屋ふしぎ草紙(二) 田牧大和
鯖猫長屋の住人が減って存続の危機に。そんなとき助けてくれたのは白妙屋の忠右衛門だった。取り壊すと言う大家から長屋を買い取りそのままにしてくれた。
元役者の涼太を、長屋の皆で役者の取り巻きの嫌がらせから守る。知られていないと思っていたが音弥だとみんな知っていた。
拾楽は元黒ひょっとこという義賊だった。金を貰ったために家族がむちゃくちゃになった男が、拾楽に復讐していた。贋の黒ひょっとこが出没した。知っている成田屋と呼ばれる同心・掛井十四郎もどうにも出来ないところにきた。
神奈川県警ヲタク担当細川春菜 鳴神響一
貸し物屋お庸謎解き帖② 百鬼夜行の宵 平谷美樹
凧、凧揚がれ 十才ぐらいの少年が凧の骨を借りに来る。破れ凧を貸す。庸は後を付けて見る。長太は、亡くなった父に自分と母親を書いた絵を見せるために凧にして揚げていた。薮入りにまた借りに来ることを予約して帰る。
貸家と散り桜 家を貸したいと仲介をしてくれと依頼される。庸は家を見に行く。閉じこめられる。お守りの中から姉が動くなと教えてくれる。何人もの亡魂がいる。瑞雲を待つ。瑞雲が払いいなくなる。一年二十両の十年払いを要求される。
百鬼夜行の宵 僧着を借りに着た男を付ける。長屋で亡くなり成仏していない男の幽霊にお経を唱えていた。この長屋は成仏させてくれると亡魂が集まっていた。お金がない長屋の者に替わり瑞雲と交渉し亡魂を連れてくればただで払ってくれると言う。庸は成仏させてやるとお守りを掲げ導く。同心・熊野五郎左衛門が心配することはないと言いながら、庸は浅草の東方寺にゾロゾロと亡魂を連れて行った。見える人には見えるらしい。翌日の瓦版を賑わせた。
隠密船頭〈十〉 獄門待ち 稲葉稔
南町奉行所内与力並・沢村伝次郎は、奉行の筒井に、裁きを下した事件を再捜査してほしいと頼まれた。
大身旗本の子息二人が殺された事件だった。槍持だった下手人は死罪を待つ状態だった。処刑まで時がなかった。
剣狼の掟 鳥羽亮
怒りの簪 片桐京之助はゆきを処刑した。死の間際に簪を託され、この簪で源次を殺してと頼まれた。京之助は源次の悪を暴きゆきを捕まえた定町廻り・卯月に捕まえて貰った。京之助が、ゆきの簪を見せ簪がおまえをここに連れてきたと言って源次を処刑した。
首斬御用承候 狩谷唐十郎は旗本から家臣の切腹の介錯を頼まれる。日を置いて別の女中と逃げた家臣の切腹の介錯も頼まれる。彼は逃げていた。見つけて事情を聞く。旗本横瀬の当主は、手を付けた女中に若い家臣に近寄らせ情を交わせ、切腹の理由を付けて刀の試し斬りを頼む。天野は、試し斬りの刀を冥土へ同行したいと言う。唐十郎は天野の介錯時、わざと失敗し、刃こぼれを起こし、鈍刀だと言った。
人斬り左内 秘剣腕落し 小野寺左内の道場の近所で腕落しを使った辻斬りが二軒あった。腕落しは左内が使う、富田流の秘剣だった。籐兵衛が、十左衛門が殺したことを伝え十左衛門が付いている森蔵の殺しを依頼してくる。左内は森蔵を十左衛門の得意技・咽突きで殺す。左内と十左衛門は六年前の決着を付ける。辻斬りの証拠を十左衛門に残す。左内は籐兵衛を森蔵の仇と言い、匕首で殺す。左内は、つなぎ役の益子屋新造を通してだけ人斬りをする。鉄則の一つだった。
剣狼 秋山要助、博徒の親分に頼まれ出入り助太刀をしている。若い朝倉が手合わせを願う。博徒の助っ人で傷を負った。朝倉が助太刀してくれた。事が収まった後、朝倉恭之介が真剣勝負を挑んでくる。秋山は朝倉の刀身ごと斬り下ろした。
向島・箱屋新吉 新章 〈三〉 決断の刻 小杉健治