風烈廻り与力・青柳剣一郎63 心変わり 小杉健治
火付け盗賊改を翻弄するかのように狐の神楽面を被った盗賊の押込みが二年の間続いていた。人は殺めず、盗んだ金は七千両余り。
老中から青柳剣一郎に密かに探索を命じられた。
剣一郎は調べ始めると火盗改の動きに不審を抱いた。一味とおぼしき男に目を付けた矢先、刺殺体となって川に浮かんだ。彼が狐面の一人と考えた剣一郎は、盗賊に火盗あらための手の内が漏れていたことを確信する。
火盗改の頭・天野が、自らの仲間を調べたくなく剣一郎に頼んだと考えた剣一郎は、天野に内密に伝える。自浄すればいいと思ってのことだったが、天野は、用人・奥野の言葉に心変わりし、隠ぺいに進んだ。
剣一郎は、狐面の仲間を割り出し自首を進める。
火盗改の与力・佐久間と同心・野中、下っ匹・銀次が、辞めたいと言う狐面の頭・一筆堂主・矢五郎を殺していた。殺した現場を見たと脅し文が来たため、近所にいた巳之助を殺していた。
脅し文を書いた男を割り出し自首させる。
野中は、奥野の命で佐久間を妾と共に殺そうとする。剣一郎はその場に行き止める。
天野家は火盗改めの任を解かれ、家も取り潰しになった。
0 件のコメント:
コメントを投稿