2023年11月20日月曜日

柳橋の桜〈二〉 あだ討ち

 柳橋の桜〈二〉 あだ討ち 佐伯泰英

 猪牙船の船頭を襲う強盗事件が起こっていた。
 そのためか親方からの桜子の船頭の許しがなかなかおりなかったが、北町奉行・小田切直年が、女船頭の監察を出してくれた。お披露目も行われる。
 船頭の強盗事件が頻発する。船頭が殺される。千社札が残され、詳しいことは同心にも知らされない。千社札の作者を探し当てると、作者は殺され、同じ長屋に住む若夫婦も狙われ、船宿さがみに避難する。
 千社札に書かれた百面相頭領 雷鬼佐衛門は、若夫婦を脅し、まだまだ船頭強盗が続くと脅しを掛ける。お城の中の誰かに向けて書かれているように思われる。誰が何のためにか分らない。
 五人目の犠牲者が出た。桜子の父親・広吉が殺された。桜子は自分の代わりに広吉が殺されたと感じる。あだ討ちを決心する。
 葬儀の場で、桜子と棒術の師匠大河内家の小龍太との祝言が決まる。
 夜、桜子は鬼左衛門からの呼び出し状の場所へ行く。真槍を持った鬼左衛門と短筒を持った鬼左衛門の情婦が現れた。飛び上がった桜子は鬼左衛門の頭部を一撃で倒した。隠れ付いていた小龍太は情婦を倒す。集まっていた一味は奉行所の役人に捕まった。桜子も小龍太もいなかったことになった。

 阿蘭陀の骨董品店の店先に「花びらを纏った娘」「チョキ船を漕ぐ父と娘」という絵がある。


 
 

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