いつまで 畠中恵
若旦那・一太郎は、長崎屋のために、薬升を作った。
医者の火幻と場久がいなくなった。心配していた一太郎もいなくなった。
一太郎は五年後の江戸にいた。
薬升が盗まれ、長崎屋と同じ薬効の薬を扱う大久呂屋があらわれ、繁盛している。
籐兵衛は腕の立つ商人だが、一太郎を探すことに時を割き、対抗しきれていなかった。
長崎屋の近所に店を出す用意をしていた。
一太郎の許嫁・中屋の於りんは、回向院の団子屋で、夢と名乗って働いていた。大久呂屋は於りんに旗本との縁談を持って行っていた。
於りんは、先の中屋の女将の話をし、旗本の覚悟を聞いていた。旗本は帰っていった。
火幻と場久と一太郎は、火幻のところにいた以津真天の嫉妬のため、場久の影の世界にきてしまった。火幻や場久が人間の中で楽しく暮していること、火幻を仲間にしてしまった若旦那を許せなかった。
一太郎は、深川の三人の僧を、現れた大日如来、寺に帰ってもすぐ若旦那の下にやってくる大日如来のおかげで火事から救った。一太郎は、三人の僧を助けるために五年後の江戸に送られたのだと思った。
場久が残した通り道を探し、広徳寺の井戸から火幻と一郎太は元の所に戻る。以津真天は淋しいのだと気付いた一郎太は以津真天も一緒にと声を掛け、一緒に戻る。
以津真天は、火幻の家の二階で、掃除、食事の用意、薬研で薬草を刻んでいる。
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