2023年11月30日木曜日

あずかりやさん③ 彼女の青い鳥 

あずかりやさん③ 彼女の青い鳥 大山淳子

 ねこふんじゃった 母と娘がぬいぐるみのキリンを預けた。お金を出さずにおはじきを出した。帰り際、蚤がいると大騒ぎして帰った。商店街で、あずかりやに蚤がいることが話題になり、客が来なくなった。そのことを相沢さんが教えてくれた。相沢さんは店前に、蚤注意と書いた紙をはがしていた。
 キリンを預けた娘の父が来た。まだキリンはあった。薄汚れていたが奇麗に洗ってあった。主は蚤がいたと言われたので洗ったと言う。元妻は娘を預けたのかと聞いた。ここに預ける人は預けるものが大切だからきてくださると思っていると言う。

 スーパーボール 毎日百金で三個づつ買い物をする年寄。百金が閉店し、あずかりやへ行く。二日に一回、以前買った物を預けに行き、取りにいかない。部屋の中が片づいた。押し入れに中のデパートの未開封の物を預けに行く。四つの押し入れも片づいた。最後に以前、自分が預けたものは何か聞いてみる。記憶障害があった。
 十三年前に、手紙を預けていた。自分に買い物依存症があるため怒って家を出ていったと思っていた姉からの手紙だった。主は残してくれていた。手紙を置いて、主は外へ行った。
 遠藤ヨシノ。主が覚えていた名前。ヨシノは姉からの手紙を読み、買い物依存症が姉の病気だと知った。アルコール依存症にもなって、医療刑務所に送られ、医者と結婚したと連絡してきていた。結婚したきになっているということか。
 姉に会いに行こう。

 青い鳥 あずかりやが休み、店主は留守。相沢さんが、猫に餌をやるため鍵を預かっている。店の前のハナミズキにルリビタキという青い鳥が止まっている。女の子が店に来る。相沢さんと一緒に入って宿題をやり出す。 

 かちかちかっちゃん 里田ぬるま、デビュー三十周年で芥川賞を受賞した。どなたに報告しますかと言う質問に、名前を知らないから「青年A」にと答えた。
 里田は「刑事あめんぼ」シリーズを出している。他の物を書いても編集者に相手にされない。昔書いたどうしても読んでほしい「かちかちかっちゃん」を出す。読んでくれない。里田はあずかりやを訪れた。店主と話している途中、少年が本を預ける。刑事あめんぼだった。試験があるのに手元にあると読んでしまうので、試験が終わるまで預けると言う。
里田は店主とぬるまに付いて話す。ぬるまの話には父親が存在しないと話す店主に、里田は持っている紙束に書いてある話の内容を話す。店主は泣きながら預かれないと言った。里田は持ち帰り、編集者に送った。編集者は会社と闘った末に、ライバル出版社に持ち込んだ。編集者は会社を辞め、里田の妻になった。
 次作の構想は?と聞かれて「刑事あめんぼ和歌山へ行く」と答えた。

彼女の犯行 古い時計を修理に出している間に、「あずかりや」の時計は、金属で出来たスタイリッシュな時計に代わった。その時計が盗難品だった。警察が来て押収する。時計を預けたのは桜原さとみだった。彼女はいろいろ預けるが取りにきたことはない。警察は盗品がないか預けられている物を調べた。ある日突然捜査は終わった。盗難届けが取り下げられた。
 少女が、手紙を預けに来た。半年後に彼女が取りにこなければ投函してほしいということだった。彼女・一ノ瀬はずみは再発した病気の治療が始まる。自分が居なくなっても好きだったことを知らせたいと手紙を書いていた。
 和装美人が来た。桜原さとみと名乗る。偽名だったさとみは、彼女の家で、貰った物を預かりやに預けていた。彼女に時計を贈った男が時計が無いことに気付き盗難とどけを出したのだった。店主は対等でいたいがために手元に置かず預けていたと言った。桜原は時計を老いて行った。彼女と話してみると言って。彼女の名は沙世
 時計が残った。店主は、時計を気に入っている相沢さんに預けた。
 
  

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