貸し物屋お庸謎解き帖④ 髪結い亭主 平谷美樹
髪結い亭主 髪結いの道具一式の入った台箱を借りて帰った男が、台箱を置いたまま魚の棒手振りをしている。庸は、男のことを調べる。男は髪結いの亭主だった。女と一緒に江戸を出たが帰ってきた。髪結いの妻は、旦那は名古屋の叔父の手伝いに行っているとふれている。娘の祝言が近く、男は娘の髪を結いたくて帰ってきていた。庸は男の尻を叩く。男は、娘の祝言が近いので名古屋から帰ったことになった。
割れた鼈甲櫛 五才の三太が、拾った割れた鼈甲櫛を売りに来た。庸は引き取ったが、夜、幽霊が現れ鼈甲櫛は三太の元に帰る。鼈甲櫛には縁談が破談になった女の生き霊が付いていた。瑞雲にお札を書いてもらった庸は、三太の家で結界を作る。現れた霊に、三太の母親は、三太に付くのはお門違いだ。破談にした男に付けという。霊は引き下がった。瑞雲は、大店美濃屋に行った。
六尺の釣り竿 幼なじみのさえちゃんが、叔父の代わりに上等の釣り竿を借りに来る。叔母が、釣り道具を置いたまま夜出かける。魚は持って帰ったことがないから、浮気を疑っていた。庸は調べに行きたいが、出歩くことを松之助に止められる。庸は二人に部屋を調べてもらい、叔父と会う。荏胡麻を撒き餌にし引っかけ釣りをしていた。
火の用心さっさりやしょう 火の番人の兵衛六が、拍子木を借りに来る。庸は並んで歩き、夏に死んだことを教える。そろそろ火の番の時期なのに、拍子木を棺桶にいれることを忘れたことも、そろそろ手筈のはなしをしないといけないことも忘れ、番屋で酒ばかり飲んでいることを怒っていた。兵衛六は「火の用心さっさりまやしょう」庸は番小屋で兵衛六の言葉を伝える。拍子木は、若い者に受け継がれた。四十九日だった。
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