2024年3月22日金曜日

芋洗河岸 1 陰流苗木

芋洗河岸 1 陰流苗木 佐伯泰英

 神田明神下にある一口長屋に妻子を連れた侍・小此木善次郎26才が住むようになった。美濃から江戸に来る途中で、妻が懐妊、出産し二年掛かって江戸に着い。
 職業なし、金もなしだが剣の達人だった。陰流苗木の剣術 夢想流抜刀術
 幽霊坂の青柳道場で、客分指導者として月々一両二分貰えることになった。
 大家の米問屋越後屋の、返金額の五分を貰う口約束で、大名貸の取り立てに付いて行き、三十両を貰うことになった。二十八両を越後屋に預ける。
 毎日、道場に通う。
 越後屋の要請で、船で江戸の地図を覚える。
 越後屋の二代前の庶子・次郎助が、一口長屋の譲渡状を持っている六百両と交換すると言ってきた。次郎助の後ろには、悪辣で有名な伊吹一家が付いていた。
 根津権現の近くの荒れ寺の尼に厄介になる。尼が伊吹一家の者が権現に行けないようにしてくれた。譲渡状とお金を自分の物にしようとする次郎助たちを斬った。

 一口長屋は、もともと神田明神の分地だった。越後屋に頼まれ善次郎は守護人となった。一軒屋は要らぬという善次郎の長屋の店賃は無くなった。みなには内緒だった。妻・佳世には伝える。守護人料として年二十五両が入った。

 青柳道場で善次郎に負けた大名の家臣・壱場裕次郎が、隠居し浪人者を集め善次郎を襲った。三遺体の始末を越前屋に頼み、三人の懐の持ち物や手形を回収した。
 十四両あった。差配の義助が持ち、長屋の植木の剪定と崖際の竹垣を新しくすることにした。
 
 一口長屋には何か秘密があるようだ。

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