みとや・お瑛仕入帖④ 江戸の空、水面の風 梶よう子
兄・長太郎 を亡くした瑛。今、成次郎と夫婦になり長太郎5才という子がある。
三年前、旗本の隠居・森山様も亡くなった。名付け親であり、長太郎の袴着の用意までしていた。長太郎は、森山の残した脇差を見、菅谷親子の父・道之進から剣術を習っていた。
秋に、長太郎は袴着、菅谷道之進と花の娘・花甫7才は、帯解きの祝いをする予定。
瑛は、森山の残した七十年前の袴着の衣装を見、自分には不要でも、別の人には必要な物、大切に使ってくれる人の手に渡る。そんな仕事をしようと思った。
料理茶屋「柚木」に新しい奉公人・圭太が現れた。柚木の女将・加津は瑛兄弟の母親のような人だった。加津は圭太を褒める。圭太は仕事も手際よくこなし、加津にも優しく、良く気が付き、良く動く。でも、瑛は何かおかしいという思い、胸がざわついた。
加津は圭太に何もかも任せ、圭太の母と温泉に湯治に行く。
誰も知らなかった加津の書家になっていた息子が、亡くなっていたことを加津に知らせる。
柚木の古くからの板前や、女中が辞めさせられ、圭太の連れてきた人たちに入れ替わった。
大工の頭領から、柚木の建替えを頼まれたことを聞く。施主は、圭太の元いた按摩で金貸しの角市だった。
瑛は、船を漕ぎ、圭太と二人で話す。圭太は、頑張ってきた女将にもう楽になっていいと言い、寂しい人だと言い、可哀想な人だと言う。私は印判を預かっている。好きに使って構わないということでしょう。角市に証文も書いた。柚木は角市の物だと言った。瑛は、印判は本物かしら?と言った。
瑛が圭太と話している間に、勘平や、成次郎や直孝が走り廻った。加津と縁のある人を柚木の前に集めた。百人以上が集まり帰ってきた圭太を黙って睨む。圭太は母親を連れて逃げ出した。
加津は偽印判を渡していた。悪事を企んでいたらいいように使うと思ったから。半分信じていたのに。
辞めた奉公人を呼び戻した。
瑛は団十郎のグッズと、光を当てると鏡の背面の細工が映し出される鏡を、売りたい人から買いたい人に縁を結んだ。
成次郎は何者?
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