大岡裁き再吟味③ うつし絵 辻堂魁
大岡越前は、評定所で、関所破りの罪で裁かれる絵師・土田半左衛門を見た時、十五年前の旗本内藤家と倉橋家の事件を思い出した。内藤斎樹が倉橋弥八郎を斬り、発覚したため内藤斎樹は切腹し、事は収まっていた。
越前は、古風十一を呼び、土田半左衛門と、内藤斎樹と倉橋弥八郎のことを調べるように言う。越前は、半左衛門に、十五年前の斎樹を見たのだった。
十一が調べると、倉橋弥八郎は、若い歌比丘尼・鈴を殺していた。鈴の絵を描いていた斎樹は、鈴をわが娘のように思っていた土田庫之助の手を借りて倉橋を斬る。たまたま自身番の親父に顔を見られたため犯人が、斎樹と言われたことで斎樹は切腹したこになっているが、庫之助の亡くなった息子・半左衛門として絵を描きながら旅をしていた。十五年間見破られなかった偽手形が、偽物と発覚し、磔にされることになった。越前は内藤家の刀自に話す。
越前は、半左衛門から詳しい話を聞いた。斎樹は淡々と事件の話をした。
越前をうるさく思っている町奉行・松浪と稲生が、老中・本多に越前の行為を訴えた。本多から聞いた吉宗は、越前を呼び内密に牢屋敷で問いただしたのは何故かと聞いた。越前は全てを話した。
半左衛門の磔は無くなっった。江戸十里四方追放となり解き放たれた。大岡様の御指図かと問う半左衛門に番士は老中かもっと・・・と答えた。
十一は倉橋家の用人から命を狙われた。倉橋家の噂が城内を巡っているという。調べていた十一が狙われた。
古風十一は、密猟者の家を潰し、年寄と幼子のいる夫婦・清吉を連れて行った鳥見役平河民部から夫婦を早く返して貰えるように大岡に頼んだ。
下り物乾物商・升屋と平河民部の仕手方・軍八郎と餌請負人・伊蔵が召し捕らえられた。
御留場の盗鳥並びに密輸の廉だった。清吉の家を訪ねると村人に助けられ二人は働いていた。
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