脳科学捜査官真田夏希⑳

脳科学捜査官真田夏希⑳　鳴神響一

　〜ノスタルジック・サンフラワー〜

　警視庁サイバー特捜隊から神奈川県警に戻った真田夏希は、帰任早々出勤要請を受けた。

箱根のホテルで宿泊客二人と従業員二人を人質に立てこもり事件が発生した。犯人は連絡を拒否し、何の要求もしてこないという。SISの島津らと現場に駆けつける。人質の一人は、夏希の母だった。

　夏希は、建物に近づき犯人と交渉し母親と自分との交換を成功させる。犯人と話し、犯人の投降に成功する。犯人は、自分が外に出ると殺されると言う。夏希は警察が守ることを約束し投降させるが、逮捕し、駐車場に行く途中で射殺される。

　人質になっていた高山が、病院から抜け出し射殺された。

　母は、犯人が、二十年前の夏希の従姉妹・朋香が亡くなった事故のトラック運転手だと思うと言う。

　夏希は、上杉と紗里奈と三人で北海道へ行く。香里奈の墓参りの後、武藤朋香の交通事故に付いて調べる。朋香の事故は故意の疑いがあった。朋香と運転手・暴力団員梶川との接点が見付からず過失犯ということになった。二日後、函館で、赤沢助教授が、バイクの事故で亡くなっていた。単独事故ではないが、捜査しても相手が分らなかったという。夏希は、赤沢を知っていた。母に連絡を取り聞く。夏希が赤沢にヨットに乗せてもらった二日後、三月二十五日に赤沢と朋香と三上という学生とでヨットに乗っていた。朋香の事故は二十八日、赤沢は三十日に事故に遭っていた。三上に会い話を聞く。白髪の老人が頭を殴られ殺された。その現場に殴った男ともう一人白髪の男がいた。海上のヨットの上から赤沢と朋香は見ていた。三上は船内にいた。男達は、ヨットの写真を撮った。殺されたのは道議会議員・野上房次郎。殺した者は判らない。二人が事故で亡くなったので三上は、一年休学し、ニュージーランドへ行っていた。三上が写真を見て証言した。実行犯は現渡島リゾートの専務取締役・延原。現場を見ていたのは園田組の組長。亡くなっている。

　二人の射殺現場近くの防犯カメラに写っていた犯人らしき男は、延原だった。

　朋香を殺した梶川と、赤沢を殺した高山は、延原に殺されることを恐れて隠れた。二十年も経ち、高山が起こした事件のため高山の名前が人質としてニュースで流れ延原が殺しに行った。

　渡島リゾートの計画に邪魔になる計画を推し進める野上を殺していた。現社長・高畠は、二十年前と現在の殺人教唆で逮捕された。