2020年6月30日火曜日

黄昏坂七人斬り

黄昏坂七人斬り 門田泰明
 黄昏坂七人斬り 拵屋の銀次郎は夜鷹の塒に身を寄せる親子・美咲とお京を知る。夜鷹・豊を医者に預ける。美咲と京は寺に預けた。美咲は夫の仇・寺音肥前守武念を探していた。
黄昏坂でフェンシングを使う寺音と対峙する。突きで刺されながら寺音を倒す。
銀次郎・本名・桜伊銀次郎
 悠と宗次の初恋旅 これは読んだことがある。宿「東山」の娘・悠と東海道を江戸へ。大津の宿で終わる。
 思案橋 浮舟崩し 吉原の遊女・浮船。二代、三代の浮船が殺される。一代目浮船・夕の元許嫁・貴藤易次郎長良の思い通りにならない夕にたいする復讐だった。夕も貴藤に捕まり閉じこめられ八日間、辱められた。逃げ出した夕は宗次に助けられるが、夫・近江屋に帰れないと言う。宗次は貴藤が四代目浮船を殺す前に殺した。夕の絵を描き掛け軸にして、近江屋に行き詰まった自分を助けてくれていたと連絡をしなかったことを誤り掛け軸を渡す。
 苦難をこえて 宗次と美雪は大和から来る美雪のお祖母様を迎えに保土ケ谷の本陣に行く。祖母の計らいで二人の婚約が整った。
 宗次・徳川尾張藩主・光友の息子・宗徳
    曽祖母・淀殿 祖父・家光 実父・徳川光友
 くの一母情 宗次はくの一の娘・梅を預かっている。宗次は梅のために医者・柴野南洲に梅を預けた。梅を陰から見守っているくの一も納得した。
 残り雪 華こぶし 徳川家綱の忍び旅 

2020年6月28日日曜日

大江戸剣花帳〈下〉

ひぐらし武士道 大江戸剣花帳〈下〉 門田泰明
 上下すぐに読むつもりだったが、新型コロナウィルスのために数時間違いで図書館がしまり間が空いてしまった。
 
 宗重の父・酒井忠勝

 幕府瓦解を画策する反乱分子、立見流剣法、田宮流剣法の手練れと対峙する。
 大奥御座の間の庭園の塀の手前の堀の側で、忍び込んだ紅玉屋平六と宗重の戦いは始まった。平六は倒れた。宗重は自身の刀の峰で頭を打ち気を失った。七日後目を覚ます。

2020年6月26日金曜日

新・秋山久蔵御用控〈七〉 小糠雨

新・秋山久蔵御用控〈七〉 小糠雨 藤井邦夫
 賞金首 雲海坊は、博打打ちと浪人におわれている、傷を負い逃げている中年浪人を助けた。八王子の千人同心・高杉弥十郎だった。色男にだまされ連れ去られた娘を探していた。色男・長次郎は、御上から手配され逃げる者を匿うことを仕事にしている者たちに匿われていた。長次郎と一緒に逃げ江戸で売られ死んだ娘の父親が長次郎に賞金を付けていた。秋山久蔵は匿う者を捕まえ、匿われている者を捕まえ、高杉の売られた娘も見付けだした。
 追う娘 久蔵の息子・大助は幼馴染みの娘・佳奈が背の高い浪人を追っていいるのを見た。後を付け、人足に絡まれたところを助けた。次の日、佳奈の家を見張っている浪人の後を佳奈がまたつけた。佳奈は北町奉行所例繰り方同心・岡島左内の娘だ。久蔵は浪人・氷川を調べる。氷川が岡島左内を殺そうと屋敷に踏み込んだ時、勇次、由松、清吉に邪魔をされ秋山に取り押さえられた。岡島は例繰り方与力・松永と、湊屋文五郎との御禁制品のやり取りを見てしまった。岡島を殺そうとしたのだった。松永は切腹した。松永家は家禄を減知され、湊屋は取り潰し、文五郎と氷川は死罪になった。
 小糠雨 旗本・土屋監物は茶道具屋等から道具類を騙し取っていた。文句をいう商人に毒を盛る。毒を調合した医者を家来に命じて殺した。医者殺しを和馬たちは探索していた。土屋の家来の一人・小西は医者殺しがいやで逃げた。逃げた先は監物の兄・刑部が命じて秋山を殺そうとして殺された家来の妻・静乃の所だった。静乃の勧めで秋山の所へ行く。秋山は二人の家来を捕まえ、土屋の悪行を目付け・榊原蔵人に届けた。監物は切腹、土屋家は取り潰し、二人の家来は死罪、自訴した小西は江戸払いになった。
 駆落ち 元親分・弥平次と孫の平次は、行き倒れのような侍を助けた。元気になって出ていったが殺されて見付かった。侍は坂本秀平と名乗った。が、侍は妻と駆落ちした坂本秀平を探していたのだった。見付けた坂本秀平に斬られていた。調べた結果、関川と結婚して二ヶ月、妻・志保は、納戸方組頭の村上いる江戸に行くためにに家来の息子を誘い、江戸に来た。志保は村上の用意した仕舞屋に住んでいた。久蔵は牛久藩の留守居役に知らせた。村上は役目を利用して茶道具屋に便利を計る約束をし公金を使い込んでいることが発覚した。切腹した。坂本は死罪。牛久藩は志保を国許の関川に戻した。
 

2020年6月24日水曜日

新・酔いどれ小藤次〈十六〉

新・酔いどれ小藤次〈十六〉 酒合戦 佐伯泰英
 紙問屋久慈屋の隠居が、愛宕権現近くの天徳寺の隠居所に引っ越した。鈴はおりょうの「鼠草紙」が出来上がり、篠山に帰ることになっているが、久慈屋の奥向き女中として働くようになった。
 駿太郎は、赤目小藤次の同年齢の子供との付き合いが必要という考えから、八丁堀の子弟が多く通う桃井道場に通うようになった。
 小藤次は桃井春蔵に真剣勝負を挑んできた道場破りを待ちかまえ先に勝負をする。タイ捨流の修行者だが、江戸で名を上げたいために小藤次に勝負を挑んだ。河原で竿で突かれた大蔵内山門隠士は負けた。大蔵内は納得せず、後に望外川荘に来るが負け死ぬ。
 勾引かしと思い近藤同心や秀次親分を助け犯人を捕まえた。女たちは小十郎と旅をするつもりで集まっていた。小十郎たちは上方で女を売るつもりではあったが。一人、直は暴れたために殺されていた。
 吹き上げ花見に小藤次とおりょうは誘われた。小藤次は将軍と大奥の女子衆の花見に、「鼠草紙」をお披露目しても桜に目が行くだけと心配していた。小藤次は大杯で酒を呑み別室で仮眠、おりょうは琴を奏でながら鼠草紙を語る。
 

2020年6月22日月曜日

京都寺町三条のホームズ 14

京都寺町三条のホームズ 14 望月麻衣
 〜摩天楼の疑惑〜
 真城葵は滝山利休と好江と共にニューヨークに行った。世界的な女性キュレーター、サリー・バリモアの女性キュレーター育成の一環で招かれた。待ち受けていたのは厳しい試験だった。葵は特待生に残り、他の二人と企画展示のプロデュースすることになる。
 葵はサリーの師匠でもあり、清貴も師事しているトーマス・ホプキンスから、サリーと篠原陽平の25年越しの仲違いの理由を調べて欲しいと相談を持ちかけられる。
 葵は25年前に闇取引所・アルダリーで売りに出されたフェルメールの絵を本物と鑑定した篠原に対して贋物と鑑定したサリーがいたことを突き止める。葵は篠原にサリーは篠原を守ったのだろうと言う。
 葵は誰も篠原の所有とは知らないが、いつどこで知られるか判らない。サリーは篠原のことを考えていた。絵は篠原の物で篠原が鑑定して篠原が儲けるという構図にならないようにしたのだ考えた。
 特待生の展示会のオープン前日のプレオープンパーティに、篠原が現れ、篠原はサリーに心配してくれていたのに妨害されたと逆恨みしていたことを誤った。ふたりは和解した。
 葵たちの展示会も好評だった。三人のまるで違うジャンルを影響し合ってつながっていることを見事に表現していた。葵は利休の幼馴染み・遙香の父親の店の和傘を使った。今回、ただの幼馴染みだった利休と遙香は彼氏・彼女になった。
 清貴が駆けつけた。パーティを抜け出した。
 葵はもやもやしていた清貴に対する気持ちが晴れていた。清貴に対する嫉妬があった。好江が遠すぎる相手には嫉妬しない、嫉妬を覚えるほど近くなったということと言ってくれた。また今回清貴のいないところでやったことで自信も持った。
 清貴は葵がニューヨークへ留学することを覚悟した。サリーからの誘いもあったようだ。
葵はホームズに教わりたいと言った。ひよっこのこの大切な時期にニューヨークで勉強するよりもホームズの教えを受けられなくなる方が私にはもったいない。私はあなたといたいです。ホームズはあなたにそう思い続けてもらうために頑張ろうと思う。
 葵は上海の出来事を小松からのメールで知った。円生のことも知った。
 掌編 流した想い 宮下香織はいい人だと思うが、小日向圭吾を恋愛対象に考えられない。梶原春彦に会った。彼は香織たちの先輩・目黒朱里に別れを告げられて泣いていた。
 

2020年6月20日土曜日

京都寺町三条のホームズ 13

京都寺町三条のホームズ 13 望月麻衣
 〜麗しの上海楼〜
 梶原秋人の後輩のオーデションの謎解きを助けてくれと頼みに来たが、後輩の彼女たちは自分の考えを監督に話すと言い、ホームズの意見を聞かなかった。
 ジウ・イーリン請われ、家頭清貴は円生と小松と共に上海に行く。ジウ・ジーフェイが「世界至極の美術展」を企画するにあたり贋作を展示するわけにいかないので鑑定をして欲しいという依頼だった。祖父・家頭誠司にきたはなしだったが誠司は清貴を推薦した。
 ジウ・シュエンの個人的な、曜変天目の鑑定において、清貴が贋物と鑑定した時、円生が、自分は焼き物の鑑定が出来ないと鑑定士になることを拒んで席を外れた。
 清貴に菊川史郎から電話が入り、葵の後ろ姿の写真が送られてくる。葵はニューヨークに着いたところだった。葵を人質にされ、アイリー・ヤンの相手をすることと、高宮氏が出品している蘆屋大成の作品を持ちだして欲しいとお願いされる。ジーフェイが蘆屋大成の作品が大好きで、取り入られるために家頭誠司が本物と鑑定した作品を見付けだし打った物が贋物と鑑定され、史郎は出入り禁止になっていた。本物の高宮氏が持っている蘆屋大成の作品を盗めと言っている。
 蘆屋大成に付いて調べる。高宮氏と誠司は初期の大成の作品を知っている。描いているところも見ている。大成を売れなくて一時、描けない時期があり、後に描いた絵をジーフェイが気に入ったようだ。
 清貴は円生に葵が人質になっている、葵のために一枚絵を描いて欲しいと頼み円生は絵を描く。その絵を高宮氏の絵として史郎に渡した。史郎は大成の本物と鑑定され満足する。史郎の通報で清貴は盗みの疑いで逮捕される。葵の監視を解かれてから、清貴は釈放され、強奪がなかったことを知らされる。蘆屋大成は円生の父親だった。初期は父親、後期の作品が少し売れかけた時、父親が亡くなる。円生は父親の変わりに絵を描いていた。円生は父親の雅号を知らなかった。その後、贋作の世界引きずり込まれたため絵を描かなくなっていた。
清貴は円生が描いた絵を一枚持っているため蘆屋大成の絵を見て円生の絵だと判った。
 すべてが明らかになった。蘆屋大成の絵は前期と後期があり、後期の作品には息子の手になる絵が含まれる。円生が蘆屋大成だったと知れ渡った。清貴がそうなるように仕組んだ。
円生は絵を描くことにしたが、蘆屋大成の名を使うことは拒んだ。
 展示会プレオープンが終わるとすぐ、清貴はニューヨークへ飛んだ。

 

2020年6月18日木曜日

大衆文藝評判記

大衆文藝評判記 三田村鳶魚

2020年6月16日火曜日

百万石の留守居役〈十四〉 愚劣

百万石の留守居役〈十四〉 愚劣 上田秀人
 将軍綱吉との謁見後も江戸に留まる加賀の宿老・本多政長の動向を探る者がうごめきだす。
 能勢数馬は政長に同行し、本多家と吉原の関係を知る。江戸に色街を作る許可を与えた家康に、色街のことなど構うなと進言した者がいた。本多佐渡守(政長の祖父)が、天下人が約束を反故にしてはいけないと忠告し庄司甚内が吉原を作った。本多様は吉原の恩人だと言う。
 政長と数馬、供の刑部と石動庫之介は、吉原内で越前福井藩松平の留守居役須郷に頼まれた者に襲われる。それらの者を討ち放した。須郷は吉原内では何もしてもらえなくなり、数馬はいつ何時でも何度でも何でもすると言われる。
 加賀では政長の留守に、不平分子反逆分子が政長の息子・主殿を神輿に集まりだした。一番元をあぶり出そうと見張っている。殿・綱紀と主殿の妻の父・前田家本家前田孝貞。前田孝貞と本多は仲が悪いと思われている。主殿は暢気な若様振りだ。
 そんな主殿の所に、越前福井藩松平の次席家老・結城外記が綱昌が数馬に書いた詫び状を返して欲しいとやってくる。主殿は数馬は江戸だし、詫び状は殿・綱紀のところにあると言う。殿様に会いたいと頼まれる。

2020年6月14日日曜日

燃ゆる想ひを

燃ゆる想ひを 鈴木輝一郎
 慶長五年。伊吹山で薬種問屋を営む不破屋の女主・とき31才。子供はいない。関ヶ原戦い前日、突然、養子の夫に外に子供がいることを知らされ、母親が亡くなり連れて来られる。夫と息子・作之助15才は徳川方の薬師として戦いに従軍する。
ファザコンのときの微妙な精神時に関ヶ原の戦いが終わり、落ち武者を匿う。切支丹の地位のありそうな落ち武者、晏牛頭天王と名乗り、誰とも判らず介護をし、恋をする。緊急時に現れ助けられる。恋をした相手が小西摂津守行長と判る。小西行長は捕まり処刑された。
 行長が弥九郎と名乗っていた頃、堺の薬屋魚屋の総領だったころ、夫は魚屋にいた。弥九郎様はよくしてくださったと懐古する。

2020年6月12日金曜日

江戸の御庭番〈5〉 はぐれ忍び 

江戸の御庭番〈5〉 はぐれ忍び 藤井邦夫
 隠密・倉沢喬四郎の使命は、何者かに奪われた謀反の連判状を取り戻すこと。百年余り前の二代将軍秀忠公を亡き者にしようという企てに加わった起請文の連判状の巻物だった。
 盗んだのは出羽忍び、脅迫されている仙台藩の鬼首衆が反撃する。出羽忍びを使っているのは水戸藩主の父親の弟だった。
 喬四郎は鬼首衆と戦う出羽忍びから連判状を奪い取り燃やす。水戸の隠居を殺す。水戸の隠居に情報を流していた徒目付組頭・早見小五郎を殺す。早見の妹は喬四郎の父の親友の恋人だった。早見の正体は証されず死んだため、二人は一緒に暮らし始めた。

2020年6月10日水曜日

時代小説が書きたい! 鈴木輝一郎