東京バンドワゴン⑫ ラブ・ミー・テンダー 小路幸也
一色武男 古本屋・東京バンドワゴンの常連客
海部宏(海坊主) ④ マイ・ブルー・ヘブンに登場
プロローグ ⑧の野良猫ロックンロール 我南人に助けられた秋実は古本屋に行く。
Don't Be Cruel 昭和四十年代 十月 古書店〈東京バンドワゴン〉
朝、我南人の部屋にいるかいないか、何人いるかのチェック。近所の曙荘の学生三人の食事の世話をしている。風呂にも入る。学生相手の下宿・曙荘の中本さんの奥さん・タキさんが入院、学生の朝ご飯と晩ご飯を二ヶ月前から作るようになった。もともと、学生のセリと拓郎はお店に出入りして店番もしていた。
どんなに寝不足であろうとも、この家に泊まったからには朝ご飯は一緒に食べること。
我南人の母・サチが我南人のバンドのマネージメントをしている。
我南人たちはテレビに出無いと頑張っている。
我南人が夜、怪我をした秋実を連れて帰る。足の手当てをして秋実の生活している養護施設〈つつじの丘ハウス〉に電話する。秋実が今日の話しをする。
秋実の先輩・中条桐子・きりちゃんが、今はアイドル・冴季キリ。キリが電話で、恋人ができて駆け落ちする。見つかったら殺されるかもしれないと言ったので助けようと思って事務所に行き、捕まってしまった。蹴り倒して逃げている時、我南人に助けられた。駆け落ち相手はアイドル三条みのる。三条みのるは我南人の同級生・元LOVE TIMERのメンバー・北稔・北ちゃんだった。勘一はきりと北ちゃんを助け出すことにする。
元海坊主・海部さんに二人の事務所について聞く。
朝、迎えに来た〈つつじの丘ハウス〉の先生・若木さんに、秋実が我南人のファンに追っかけ回されているので日曜日まで預かると話し、秋実の滞在の許可を貰った。
近所の祐円には我南人がもうすぐ婚約する子だと紹介した。
Can't Help Falling In Love 海さんが調べた二人の予定を聞き、明日、日曜日テレビ局で二人に会い、連れ出すことにした。
施設に秋実を訪ねてやくざ紛いの人が来たと言う話しを持って若木が来た。そして秋実の母親の話をする。母親は、二才になった秋実を二階の窓から投げようとした夫をナイフで刺した。病院の前に秋実を置いてから自首した。刑期を終えた母親は、毎月お金を送って来た。途中で途絶えたので若木が調べると、四年前、静岡で亡くなっていた。夫・秋実の父親はやくざだった。父親の生死は判らないという話しだった。秋実の服に秋実と刺繍があった。
勘一も、キリと稔の話をする。
秋実も事務所に忍び込み追いかけられた顛末を細かく話す。海さんの話を聞き、追いかけた中にいた中年の男性は中島ということが分かった。
海さんは、勘一とサチの出会の再現だと言った。
サチは我南人のマネージャー、新人のタレント志望の少女・秋実の呈でテレビ局の控室に行く。キリのマネージャーが増え守りが堅くなっていた。我南人が部屋を間違えて入ったと言ってキリに、秋実からの、「トイレで待っている」のメモを渡す。サチと秋実とキリはトイレで話す。何があっても助けるから私たちを信用して言う通りに動いて!
稔の控室に行き、マネージャーをサチが引きつけ、我南人が稔と話す。
二人は付き合っていることを事務所に話し、付き合いを止めなければ相手を潰すと言われていた。
Love Me Tender 我南人がいなくなった。勘一は、一気に片づけようと何か考えてんだろうと言う。
二手に分かれ、テレビ局から帰る二人を誘拐?保護する。我南人指名のもう使われていない撮影スタジオへ行く。二人の事務所・御法興業とトミプロの社長も呼び交渉場所とした。トミプロの社長・富弥は勘一たちと同じステージに立ったこともある知りあいだった。
現れたのは一色だった。テレビカメラや集音マイク、照明さんもいます。芸能記者もいる。
一色は録音してます。合図で生中継にも切り替わります。今やってるドラマを中断して、全国のお茶の間にこの光景を生放送しちゃいますよと言う。
二人のトップアイドルが恋をした。事務所が浴びせた脅し文句の数々を聞きましたよ。丸く収めましょう。結婚記念コンサートをやりましょう。ゴールデンタイムに生放送。トップアイドルとテレビ初出演・人気ロックバンド・LOVE TIMER 、仲良しバンドも出る。アルバムも作り売り上げも、コンサートの上がりも御法興業とトミプロで折半。LOVE TIMERは当日ギャラ無し。これでどうでしょう。
二人のOKが出たところですぐ一色は生放送の用意をした。このまま帰したら口約束なんてどうなるかわかったものじゃない。セットを組んで緊急生放送。二人の結婚と結婚記念コンサート開催。社長と二人の出演の緊急テレビ会見が終わった。
今夜は二人を我が家で泊まらせ、明日から契約が済むまで海部芸能が一時預かりとなった。
朝、若木が訪れ、中島が来た。中島は、裏御法の法末興業のプロデューサーだった。中島は逃げる秋実を呼び止め助けようとしていたように我南人には見えていた。我南人は中島に会いに言った。昨日、二人の社長を引っ張り出したのは中島だった。
中島は秋実の父親の弟分だった。母親・雪子に可愛がってもらった。雪子は秋実を慈しみ幸せそうだった。名野辺五郎、亡くなったのは抗争で殺された。雪子が刺したことが原因ではない。秋実が生まれ親子三人楽しく笑って過ごした時間があった。雪子の事件の時、自分が地方に行っていていなかった。雪子と秋実を忘れたことは無い。古い、雪子と秋実が写った写真を出す。
事務所に秋実が来た時すぐにわかった。この子を迎えに行けるような人生を送って来なかったことを反省し、御法を辞めてきた。
勘一は篠原建設を紹介しようとしたが、若木が正式な職員として施設に来て欲しいと頼んだ。子供好きで裏社会を知っている人がいてくれると心強い。桐子と秋実を救って貰い恩返しをしたいと言った。勘一は何も言わずに消えることはないようにと念押しした。
帰る秋実に、いつでも遊びに来いという勘一。僕はいつ秋実ちゃんをお嫁さんにしてもいいよ。初めて会った時から僕の心は秋実ちゃんへのLOVEで満たされているからと言った。
エピローグ 藍子と秋実ふたりきりの夏の夜。藍子は父親が大好き。音楽の才能は・・。御免ね。破滅的な音程を持つ母親に似てしまった。
藍子が、どうやって知りあった?と聞く。説明するのは難しい。中学生になったら教えてあげようと言う秋実。LOVEだねえ。お父さんが初めて言ったのは私にだったんだよ。
確か、藍子が四年生の時、秋実が亡くなったと記憶している。この時からどれくらいたっているのか。話しは聞いたのか。
0 件のコメント:
コメントを投稿