東京バンドワゴン⑪ ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード 小路幸也
春 花も嵐も実の生る方へ かんなと鈴花は年中さん、研人は高校生、花陽は高校三年生。
神保町の岩書院の大沼社長が、神田古書市場に出品してくれないかと相談に来た。
〈呪いの目録〉を所有している古本屋を知らないかと聞き回っている人がいると言う情報を持ってきた。
修平と佳奈が来た。佳奈の出演のドラマで小宮仲子を演じる。小宮は「蜷川女子大学」の礎担った人と言う関係で図書館で古い資料を見た。小宮の日記のような物の中に、佳奈は堀田達吉なる名前を見付けた。大学創設に世話になった人だったようだ。堀田達吉の家系図のような物が手書きで書かれていたが、上から万年筆で消されていた。と言った。
我南人の夕暮れライブに、ドラムのボンが出演。息子・麟太郎25才も一緒。麟太郎は臨床検査技師。話しの流れで花陽の希望大学の話になった。どうしても私大になってしまうが、家から通える医大希望ということで花陽の希望が判った。
呪いの目録を所有している古書店を探している人が来た。マンガ編集長田口さんと、アシスタント・石渡元だった。漫画家・倉見ちずるの熱血担当者で田口と倉見の過去の話を聞いて、奈良勢津子が返しに来た目録を見せ、目録にまつわる話しをした。また与太話でよかったら聞かせると話した。
田口は借りている小宮の日記を出した。家系図は消されて見えない。紺はコピーを取った。
石渡元は、夏樹の悪仲間だった。夏樹と同じように自分の道を見付けて頑張っていた。
夏 チャーリング・クロス 研人は夏休み、ライブハウスでのライブの予定がたくさんある。研人とドラム・甘利、ベース・渡辺のバンド名は〈TOKYO BANDWAGON〉。
マードックのイギリスの政府の仕事をしている友だちが、アレックス・ワーナーが書いた私家版の一冊に英国王室のスキャンダルが書かれていることが判明し、その一冊が〈東京バンドワゴン〉にあることが判明したので、イギリスの秘密情報部の者が行くから逃げろと言ってきた。
次の日やってきたSISの事務員のアダムは、言い値で買う。この店にある古本を全て買い取っても結構ですと言った。ふざけんな!勘一はアダムを睨む。ロンドンの古本屋から,秘密の暴露本を堀田草平に渡したと書いたものが見つかり、たまたま相談したのが情報部の者だった。手に入れるまで毎日来ると言い、ホテルに帰った。
勘一と我南人、紺とマードックはイギリスへ行った。サチももちろん付いて行く。紺はサチがいることを感じている。すぐに古本屋へ行き、主人に会う。主人に本を見せた時、SIS
が現れた。勘一が持っている本を取ろうとした。勘一の背負い投げが決まった。マコーリーがひっくり返った。話しが終わるまで待てと言う勘一の言葉に待てないというマコーリー。そこへ現れたキース。マコーリーは話しが終わるまで待つ。勘一は、堀田草平の子孫に迷惑が掛かることになって申し訳ないと思ってくれたことに礼を言い、わが家は表に出すことの無い物を蔵の奥深くに眠らせ守っている。今更英国の本が一冊増えても我が家にとっては何ともないことです。喜んで末代まで眠らせることを約束しますと話す。
これは、偽物です。持ってきた本を見せる。一晩で作ったので中身は白紙。作ったのは紺でした。マコーリーにも、日本の我が蔵で眠ったまま、未来永劫眠り続けることを約束する。その場にマードックの友だちもいた。礼を言う。
次の日、日本に帰る。
秋 本を継ぐもの味なもの 十月、三鷹と永坂が、愛と名付けた三ヶ月に満たない子供を連れて来た。
藤島の父親・藤三がいよいよ危ないと言う。
かんなが、紺と研人にりっかちゃんのおじいさんの幽霊が出ると祖母の家に行ってほしいと言ってきた。お祖父母は翻訳者で、祖父は亡くなっていた。祖母・規子と母親・葉月の関係が良くない。祖母のマンションには、専門書も多く、蔵書が多いが立ち退かなくてはならなくなっていた。
紺は神田古書市場で規子の蔵書を「葉月文庫」と名付け売った。我南人のライブを行い研人のバンドもアコースティックでサポート参加。規子の挨拶がある。六花ちゃんのお父さんお母さんも呼んだ。これをきっかけに家族の仲がすこしでも修復されればいい。それが鈴花とかんなの目的だったようだ。
冬 ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード 恒例のクリスマス。鈴花とかんなは二人のおばあちゃんから、サンタさんから、プレゼントを頂きます。脇坂さんはアニメの主人公の洋服を、池沢さんからうさぎの人形の一家の家。パーティにもたくさんの人が集まる。
お正月も祐円さんの谷日神社へ初詣。
花陽は二月に控えた試験に向け勉強。藤島が紺と青に、花陽の大学授業料の足長おじさんになりたいと申し入れ。最後にはお姉さんに行き着くようで二人に変態だというわれても出させて欲しいとお願い。二人は借用書を書くということでOKする。何千万円いる。
研人と、芽莉依が写真を撮られたり、SNSでいじられたりしていることが話題になる。研人はまだしも、芽莉依に何かあっては大変と頭を悩ます。そんな時、我南人のバンド・LOVU
TIMERがテレビ出演を四日後に控えたリハでドラムのボンが倒れる。肺ガンだった。手術も出来ず入院すれば薬で朦朧とした生活を余技なくされることを拒否して、演奏生活をぎりぎりまでするとの決意をみなに発表する。しかし、テレビで倒れることは困るので、今回は我南人のバック演奏をTOKYOU BANDW WAGON に頼む。研人にしても中途半端な顔出しだったことを反省、渡辺と甘利の親にも了解を取って、正式にテレビ出演をする。
研人の革ジャンの後に〈Mary〉と赤い文字が入っていた。
テレビの前でみんなで観賞。その後はるで打ち上げ。
付録 夢もうつつもひとつ屋根の下
サチが自分の初七日の法要を見て独り言を言っている。葬儀の日から元の家にいてあの世を知らない。
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