東京バンドワゴン⑩ ヒア・カムズ・ザ・サン 小路幸也
夏 猫も杓子も八百万 鈴花とかんなはふじしまんの場所とその左右に自分たちの場所を決めて、あとは普通にねで朝食の始まり。二人はトイカメラで写真を撮る。
古本屋の店に幽霊が出るとか話している。
研人は芽莉依の家で毎日勉強をしている。
玉三郎とノラの様子がおかしいとみんなが思う。
バンドワゴンで万引きをした少年が青の同級生・狩野が連れてくる。少年が自ら反省するまで、狩野はまず本を返しにきた。遺品の中から大事そうに置いてあった本だから引き取って貰えるかとやって来た。少年は別行動で、本を一冊買って帰った。夜、先生にまで嘘を付かせて悪いことをしたと、少年が謝る気になったと二人で来た。狩野はフリースクールの先生だった。少年は田中翼君。青が考えた脚本だった。
狩野が、この天井裏に動物がいると言って調べてくれた。アルビノのハクビシンがいた。我南人は縁側から奥に入って見て欲しいと頼む。ノラと玉三郎が死んでいた。庭に埋めた。
祐円さんが倒れた。検査したが何もないようだ。
春子さんはいよいよいけないようだ。
紺は夜、かんなの撮った写真をチェックしている。時々サチが写っている。研人がきた。紺とサチは話し、それを研人が見ている。研人には聞こえない。
秋 本に引かれて同じ船 九月、木島主水と仁科由子の結婚式があった。
はるの真奈美の母親・春美さんが亡くなった。
はるに時々、バンドワゴンで本を買って食事しながら本を読む老婦人が訪れる。
図書館の館長さんが、時々古本が置かれていると話しに来る。
茅野が、この家の写真を撮っている若い女がいると言う。
玲井奈が、兄が図書館通いをしていると言う。茅野は図書館の司書を調べ始める。写真を撮っていたのは司書・野島真央だった。
三鷹と結婚した永坂杏里が妊娠した。今は悪阻が酷く、仕事を休んでいる。
バンドワゴンに野島と裕太が飛び込んで来る。野島はこの店が危ない店だと言う。戦後、サチを守るために十三が用意した武器が、十三と供に写った写真を持っていた。勘一とかずみの昔話しに花が咲く。野島は蔵に武器が隠されていると思ったようだ。
写真を図書館に持ち込んだのは、はるで本を読む老婦人・おけいちゃんだった。我南人が連れてくる。かずみには判った。畳屋の娘・桂だった。九州にいたが息子が東京に呼んだ。息子の家の近くに住んでいる。図書館に本を置いたのも桂だった。草平が桂にくれた本だった。
裕太は野島と付き合っていた。
我南人は図書館に捨てられていた猫の赤ちゃんを二匹貰って来た。七代目玉三郎とノラ。
冬 男の美学にはないちもんめ 年末の行事はつつがなく、大掃除、クリスマス、昭爾屋の餅つきを済ませた。門松はマードックと研人のお手製。
古本屋の年末挨拶回りは、前は紺だったが、近ごろは、青とすずみがお供。
元旦、新年の朝は八時に二人がお越し回る。二人が決めた席に着いてお節料理。
居間の襖がマードックの描いた日本画の襖絵に変わった。
女性陣が着物に着替え祐円さんの神社に初詣。勘一と我南人は紋付き袴。居酒屋はるの面々と池沢。
初めて神社の名前登場・谷日神社。
紺と亜美と研人とかんなは脇坂家へ、青とすずみと鈴花はすずみの実家の墓参りの後、叔母さん・聡子のお宅へ。
宮内庁書陵部図書課宮内公文書館公文書第五係 国坂直治 がやってくる。蔵で話す。私どもが預かるような文書があると聞いた。見せてほしいという。ないと言うが、デジタルデータでもいいと。見せないということで帰った。
藤島から火急の呼び出し。勘一と我南人が、葉山に行く。デジタルデータを見せる見せないで宮内庁、官僚、藤島の会社、三鷹の会社が関係して、アーカイブ事業に横槍が入った。我南人が藤島の会社から出す新譜に、四十年前に放送禁止歌にされた曲が四曲入っている。四曲を外すなら発売可能だ、という。デジタルアーカイブ事業で関わっている役所が、問題になっている曲を新譜に入れるようなミュージシャンを抱えたような会社とか、コントロール出来ない会社は信用出来ない。事業の見直しをしようと言ってきた。宮内庁に貸しを作りたい官僚が我南人を知っていた。勘一が見せれば済むことと言った。
我南人は、ラブタイマーオフィスとFJとの契約を解除すればOKだね〜。新譜は個人レーベルで出せばいい。風一郎と龍哉も契約を切る。
夏樹が、我南人の事務所を辞めた。建築関係の仕事をしたいと言った。
春 ヒア・カムズ・ザ・サン 三月三日雛祭りは盛大にしよう。研人が芽莉依ちゃんと一緒に行こうとした私立に落ちた。都立は受かり、バンド仲間とは同じ高校になった。誰も研人に芽莉依のことを聞けない。
夏樹が働いている矢野建築事務所が、とばっちりで潰れる。早く知った新さんは夏樹に早めに辞めろとアドバイスするが、夏樹は、矢野さんはすごい人で恩になっている。最後まで矢野さんのために働くと言う。
芽莉依の母親・汀子が相談に来る。亜美は高校受験に失敗した研人に芽莉依が愛想をつかしても仕方無いと思っている。汀子は研人が自分に会ってくれないかも知れない。自分のせいだと言うが何があったのでしょう。
我南人が僕に任せて。
矢野が夏樹と玲井奈と一緒に来る。事務所を整理して新しくスタートする。夏樹に元気づけられこのまま働いて欲しいと思っていると挨拶に来た。矢野は家を隅々まで見させて欲しいと頼む。写真も撮りたいと。
結婚式を挙げていない夏樹と玲井奈の披露宴をここでするこになった。
研人の中学卒業の夜、花陽は痺れを切らして研人に詰め寄る。芽莉依とどうなっているのかと。研人は、芽莉依は学校始まって以来の秀才と言われている。街を歩けばスカウトに声を掛けられる。頭が良く、美人。おれなんかより釣り合うようなすごい男がいるよ。いつ離れても、連絡来なくなってもいいから好きにしろと芽莉依に言ったと言う。花陽が啖呵を切った。ばか! 合格するかどうかより、一緒に一所懸命頑張ってくれたことがうれしいのよ。
LOVEだよね。カフェにバンド仲間と芽莉依がいた。我南人が連れてきた。研人たちは演奏する。ヒア・カムズ・ザ・サン。
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