2024年2月6日火曜日

すべての神様の十月〈二〉

 すべての神様の十月〈二〉 小路幸也

 戌の日に イラストレーターとなりフリーになった僕。二才のカノンを連れた美耶子と結婚。三年目に美耶子は、早産で入院した。家に残された僕とカノンの所に、父から頼まれたと雑賀たねさんが、家政婦として来てくれた。美耶子との結婚を反対され付き合いの無い父だった。たねちゃんとカノンがなつき、弟が無事産まれた。報告に実家に行く。父は家政婦を知らなかった。カノンを頼み家に行く。たねさんはもういない。昔飼っていた犬と同じところに痣があった。お稲荷さんに安産祈願に行ったからね。

 お稲荷さんをよりしく 北海道の大学を終え、北海道で就職を考えていた戸川みつる。父が亡くなったあと、母一人で喫茶店を経営していたが、心筋梗塞で倒れた。みつるが帰ってきて営業している。まだ先を決めきれていない。裏のお稲荷さんにお供えする小さい稲荷寿司を、たまたま来た高校生に出した。進学校の生徒、塾に行く前だった。キーちゃんとフーちゃん。おいしいの声に押され店に出す。「こいなりさん」「恋なりさん」
 この店を続けることが商売繁盛。
 キーちゃんは狐のキー。フーちゃんは、フォックスのフー

 天狗さまのもとに  西川は消防士、彼が出場すると、消火する前に火が消えるとうわさされる。到着すると消える。来て欲しいと引く手あまた。四年ぶりにホームに帰ってきた。現場写真によく写っている猫探しの探偵に会いに行く。しっぽが二つに分かれた白猫を捕まえた彼は、これで勝ってに火は消えなくなりますよと言った。西川が三才の頃、怪我した白猫を見付け母親に必死で訴え助けられた。西川の役に立ちたくて自分の尾に込められた羽団扇の力を使って火を消していた。やり過ぎると世の中を騒がせるので天狗さまのもとに連れ帰ると言う。猫探し探偵さんは、先祖が烏天狗だった人間。話ができたりするので神様や天狗様にいろいろ頼まれると言う。西川は、今夜のことは忘れるように天狗様がするようだ。

 死神に恋 夏川麻美は高三の夏に一度死んだ。バスに乗っていて銃の流れ玉に当たり死んだ。が生き返った。自分の傍にイケメンの男性がいたことを覚えている。病院で彼に合った。彼と話した。本来見えないものらしい。彼は死神だった。麻美は死神に恋をして、会うために医者になることにした。麻美についていた看護師・井沢は、福の神だった。バスの中にいた。彼女のお陰で、こめかみに当たる銃弾がすこしそれて肩に当たった。生き返ったのは不思議。

 眠れぬ夜の神様  枕の九十九神と寝ている間に話し、マンガが売れていく。御手洗咲子と名乗る貧乏神が来た。売れっ子になっててっぺんからどん底に落ちないように貧乏神が来た。貧乏神と九十九神は相談し、枕を洗い、九十九神は消える。また、二、三十年してから九十九神になって現れることにする。

 笑う門には福来る 売れていない芸人・きっとキッド。福の神であるお笑い芸人。三か月前、練習している公園で、ファンです。というまちゃさんにサインした。まちゃさんは、それをイラストしTwitterniアップした。編集者の目に留まりマンガ家デビューとなった。好きになってくれた人に福を撒き幸せにしている。もっと笑ってもらって福を撒きたい。

 落とした物を探しています 忘れ物センターの新人・明野さん。彼女が窓口で応対した人の忘れ物、落とし物は全て見付かっている。隣で見ている私は、保管質の主・二ノ宮さんに彼女のことを話した。二ノ宮さんは、ここの神棚に手のひら地蔵が祀られていて手のひらさんと呼ばれていることを教えてくれた。

 引きこもりにおじさん 僕は市役所に就職し公園管理になった。自宅の前が公園、向かい側の同級生に会った。彼は引きこもりになっていた。そこから救い出してくれたのは鳥おじさんだったという。公園の鳥に餌をやっているおじさん。鳥おじさんは餌をやり掃除もする。近所の人も同じようにする。鳥おじさんがいるだけで皆が幸せになる。彼は年を取らないずーと同じ。神様みたい

 子供は風の子 仕事帰り、子供がぶつかってきた。すごく活発で運動能力が高そうな子。男の子と女の子。部屋まできてしまった。三人になった。いつもはスカスカの冷蔵庫がいっぱいになっている。いつの間にか寝ていた。女性がいて説明する。風の子・風神があなたにぶつかった。貧乏神が知らせてくれた。あなたは熱を出して倒れる寸前だった。あなたが風神を見えることがうれしい。私は女神だと言う。

 七回目の神様 花井幸夫は、入院したので母親に、今まで人が思わぬ事が起き、助かったシーンに七回会ったと話した。今回、ダイブしてきた車が、落ちて来る前に、バックしろと言われてバックした所に車が落ちてきたことを話す。母は、あなたに神様が付いているのだろう。そういうこともあるのだと言った。母は昔、神様とお酒を飲んだ間だと言った。
 夜、看護師の福の神の井沢と死神のが訪れ、七回も死んでいたはずの人が助けられる場面に出会ったのは幸夫がそういうものを引き寄せるようになってるようだと言う。彼は仙人で、趣味のようなものだと聞いた。
 死神が母とお酒を飲んだ神様だった。母親が話さなかったことを死神の幸夫さんは話してはくれなかったが、何かに巻き込まれた時には、死神の幸夫さんと呼べば参上すると言ってくれた。

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