満月珈琲店の星詠み⑤ 秋の夜長と月夜のお茶会 望月麻衣
木星と銀河のカッサータ 淡路島で母を看取った百花。
百花の父は四十年前、祖父の百か日が終わった頃、別れてくれと家を出た。百花は、幼稚園から保育園に変わり、母一人娘一人の生活が始まった。
家から離れる神戸の大学に行かず、近くの看護学校に行き看護師になった。恋した男性が遠距離であったため、結婚しなかった。母の看護のため看護師を辞めた。母が亡くなった。
母の葬儀の日、父が同じだという弟が来た。父は好きな人が出来離婚したようだ。十年し、生まれた弟だった。
何もせずただ家にいる。母親の荷物を片づけ見付けたのは膨大な量の本だった。
夜中に、猫に誘われ行った「満月珈琲店」で、母との関係、勝ってな思い込み、母の思いいろいろ考えた。
未来をこれからのことを考えた。
水星のお茶会とベテルギウスのプリン 真中総悟の記憶
社長・桐島祐司、後輩・鈴宮小雪と、「musubi」出版社兼広告代理店で働く真中総悟。現在は元気な総悟だが、小学生の時は身体が弱く、岩手、遠野の祖父母の家で過ごした。十二才の夏、父母と母の姉妹夫婦、従姉妹たちと忘れられない夏を過ごした。母の言う「罪の子」の意味を知った。母は不倫後、父を略奪し、夫婦になった。その時お腹にいた子は流産し、十年後総悟が生まれた。ということも知った。母も身体を壊し、総悟も身体の弱い子どもだった。
子猫を助けた。子猫は明日の命が知れない状態だった。ティルと名付けられたその猫に因って、銀河鉄道の夜を経験する。食べたベテルギウスのプリンのお陰で溜めた物を吐き出した。
夜明け前、野原で寝ていた総悟はカメラマンに起こされた。そのカメラマンは、後に写真集で知った桐島だった。
金星と三日月リンゴのアップルケーキ 松浦果歩の告白
真中総悟は、広島の従姉妹の結婚式に出る。淡路島の葬儀の後だったので、式には参加せず、披露宴に出た。総悟の従姉妹の妹・沙耶の結婚式。
姉は大人しく、賢い、総悟と本の話で持ち上がる。広島大学を出て図書館司書になっていた。妹は明るく、専門学校を出て美容師になった。
妹は、高校生の頃から彼がいなかったことがなかった。専門学校生の時、いつもと違ったタイプの彼・聡史を連れてきた。父母も喜こび、気に入っていた。
果歩は苦しんだ後、沙耶に告白した。ごめんね。聡史君を好きになった。
十一年後沙耶は結婚した。十二年後、厳島神社で結婚式をする。沙耶は姉に手紙を渡す。
姉の告白の後、聡史と別れた。理由は聡史の浮気と言ったが、聡史が、お姉さんを好きになってしまったから君を付き合えないと言われたのだった。披露宴に聡史が来るからというこことだった。
エピローグ 総悟は、桐島に、めがね橋で死体みたいに転がっていたぼうずは、おまえだろうと言われた。思い出したのだ。
総悟は告白すると桐島に言う。振られたら辞めるのは、独立出来るお前だろう。二人が上手くいったら、会社二人で継いでくれよ。
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