吉原裏同心㊵ 蘇れ、吉原 佐伯泰英
寛政五年十月、江戸は大火事に見舞われた。客が減ることを覚悟していた会所だったが、客が来る。客の正体を知った時、八代目頭取四郎兵衛こと、裏同心神守幹次郎は苦悩する。
公儀は、浅草弾左衛門の差配下の者の吉原出入りを禁じていた。
弾左衛門の従兄弟・弥一郎が、吉原で殺される。神守も狙われる。隠して弥一郎を送り届ける。
九代目弾左衛門の後見・佐七の店・灯心問屋の番頭の娘が誘拐され、五百両を要求された。要求された場所に澄乃を行かせ、幹次郎は少なくなった敵の店に行き、娘を助け出す。澄乃は敵の船を揺すり、川に投げ出し、五百両を守り帰った。
澄乃は、切見世の女郎に焚き出しを考え、幹次郎の命で弾左衛門の焚き出し方法を学ぶ。炊き出しのために使って欲しいと慶長大判で五百両が置かれていた。
幹次郎は、奉行所に持って行く。江戸城の金庫の物だった。奉行所も困る。
老中・戸田氏教と関わりがある勘定奉行・佐橋則武と、川に投げ出された道場主・向来重五郎が斬られた。
奉行所より百両が下賜された。
炊き出しが始まった。汁の具は、魚河岸から頂戴した魚のあらや、大根河岸からの萎びた野菜だった。寄贈された調味料と引きて茶屋の残り飯だった。
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