2024年4月10日水曜日

武士はつらいよ

 武士はつらいよ 稲葉稔

 郡奉行の下役だった夏目要之助は夏の人事異動で大目付配下の徒目付になった。要之助は美園藩藤田伊勢守氏鉄の家臣。先任の徒目付・沢村軍之助が要之助の世話役、同僚が、西島主馬、下目付・青木清兵衛。上役・目付・北村儀兵衛、大目付・加山助左衛門。

 殿の愛馬・流れ星が死んだ。死因を突き止める調べの中で、馬方の一人・内藤伊三郎が殺された。伊三郎の動きを調べているうちに流れ星の死因が毒だと判る。
 伊三郎が賭博の借金二十両を返済していた。要之助、主馬の命が狙われる。

 三人で調べた結果を発表するために、目付・大野善右衛門、武具奉行・馬方差配・山本芳右衛門、大目付・加山にも厩に集まって貰った。厩には馬方がいた。
 流れ星に毒を飲ませたのは伊三郎。頼んだのは山本、返金した二十両はその礼金。山本は家老への推挙があったが、殿が推挙を取り下げ家老になれなかった。殿を恨み、愛馬を殺した。
伊三郎の、城に忍び込むための手伝いをしたのが馬方・増田栄蔵だった。主馬と要之助を狙ったのも栄蔵。と要之助は言う。栄蔵は流れ星を殺すことを知らなかった。伊三郎に詰め寄り山本から三十両で頼まれ、その中から栄蔵に五両渡したと聞いた。栄蔵は伊三郎を殺したと白状した。
 軍之助が、自分で調べたように上役に話す。清兵衛は腹を立てるが要之助は、大声で一言悪態をついて憂さを晴らす。
 山本はお家取り潰し、切腹。増田栄蔵は斬首。

 調べ中に出会った菓子屋の娘・菊。好感を持ったが、菓子修業から帰った佐吉と結ばれることに手を貸した。

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