風烈廻り与力・青柳剣一郎66 忘れえぬ 小杉健治
剣一郎は、旗本・坪井貞道の悪い噂を耳にした。小間物屋の美しい内儀に言い寄り何かを画策している。不審を抱いた剣一郎は身辺を探る。老中から横槍が入る。
十五年前のそば屋の夫婦殺しの話しが耳に入る。犯人とされた侍は、旗本の若党で自死していた。が本当の犯人はその旗本の次男だといわれていた。次男が坪井家に養子になっていた。
坪井家では、女中が手打ちにあっていた。女中の許嫁と十五年前のそば屋の弟、自死した若侍の弟が、恨みを抱き仇討ちを企んでいるようだった。
坪井家に老中が招かれる。何かが起こると考えた剣一郎は、隠密同心・作田新兵衛を坪井家に見届けるよう頼む。
何かが起きた。新兵衛が報告する。そば屋になって入り込んだ三人は、用人・矢崎平左衛門に隣の控室に呼ばれた。矢崎は、坪井に、十五年前の事件と女中への手討ちの罪を問いただし、坪井家にあなたのような当主は不要だと言い、貞道を斬りつけた。近衆の高槻に若君を頼み討たれた。異変を知った老中は、病死と届けるように言い帰った。
坪井家にも矢崎家にも長男がいる。
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