2016年4月4日月曜日

入り婿侍商い帖(六)

入り婿侍商い帖(六) 関宿御用達3 千野隆司
火事になり本所元町の大黒屋は燃えてしまった。おトクだけが見付からず、善兵衛は深川に行っていたおトクを探していた。
大黒屋の跡地で燃え残った米で炊き出しをした。
火事前に店仕舞いをする米問屋の米を千二百俵買っていた。倉庫にある。
同じ年産まれの縁で知り合った羽前屋の稲ちゃんの父母は亡くなっていた。お万季はなかなか乳母に懐かない稲ちゃんにお乳を上げたり抱いたり乳母に懐くよう面倒をみていた。
関宿藩の喜多山と朽木弁之助の助言で倉庫の米を羽前屋に融通し、仕入れをしていた若旦那と番頭をなくした羽前屋の手代と角次郎で千俵の米を買い付けることになった。羽前屋は大店の米問屋で大黒屋と同じ関宿御用達だった。仕入れや輸送の費用は羽前屋持ちで利益は折半になった。
他の米問屋の横槍が入ったが千俵の米を仕入れることが出来た。下野壬生藩の壬生河岸の山後屋の大番頭・吾左衛門が火事の時に大黒屋の善兵衛に命を助けられたと六百石の米を集めて売ってくれた。船で米を輸送中襲われた。捕まえると米問屋・岩城屋の者だった。役人に渡す。
火事から一ヶ月後秋葉大権現瑞信寺でおトクは見付かった。
今年の秋の仕入れは二千俵を越す。大黒屋の土地と隣の土地を買い店と倉庫を建てることにした。

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