闇奉行影走り1 喜安幸夫
大身旗本の家を出奔し札ノ辻で口入れ屋「相州屋」を営む忠吾郎は北町奉行・榊原主水頭忠之の弟だった。久しぶりに会った兄はお上が裁けぬ悪を討つように言う。連絡役に隠密同心・染谷結之介がくる。
夜鷹が殺される。二人目に殺された夜鷹は忠吾郎が八百石の旗本堀川家の女中に入れた稲だった。旗本の婿養子・右京の手が付き、妻が女中を追い出していた。忠吾郎の下に行けないように言い渡し夜鷹になっていた。忠吾郎は相州屋を宿にしている羅宇屋の仁左に調べてもらう。夜鷹を殺したのは、旗本の若党だった。殿様の子を宿した女中を夜鷹に見せかけ殺す予定だ。忠吾郎は阻止するつもりで若党を斬ったが、ひと足遅く、女中も斬られてしまう。若党も女中も事情を話し亡くなる。
忠吾郎は昔の子分・古着屋を商う身の軽い小猿の伊佐治を小田原から呼び寄せた。
堀川の妻と女中頭は法事で寺に行く途中、毒の付いた矢で水子の祟りに見せて殺され、右京と用人は屋敷で自死に見せて殺された。
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