2019年1月14日月曜日

隠密同心 闇の密約⑵

隠密同心 闇の密約⑵ 小杉健治
 まぼろし小僧と呼ばれる盗人・文吉が出てくる一巻とんでいるようだ。
 連也坊と名乗る松原源四郎が、市松の影になることを決意して現れる。
 遠州望月伊勢守と隣接している旗本松尾主水の知行地の境界争いが起っているらしい。伊勢守が裁定を求め、老中本柳越後守が訴えを取り上げたが、盗人文吉が松尾主水の所から盗んだ書き付け・誓約書で、さること成就の暁、松尾主水に御番入りが約束されていることが判明した。伊勢守の訴えを取り上げた越後守がもう一方の当事者に宛てた誓文を書いている。市松は遠州に行くことになった。錺職市松と侍佐倉市九郎に代わりながら調べていく。
 遠州では、望月家十万石の家老の息子・畑中政次郎の飾り職人・伊助の親方の簪への不払いが元で、畑中の友人・沢田清一郎と金山松之進が死んでいた。伊助が金山に助けを求め、金山が沢田を殺してしまい、沢田の弟が兄の敵と金山を殺した。伊助は金山に助けをを求めていない。沢田を殺したのは金山ではない。沢田の弟が金山を殺すよう仕組まれていたことが判明する。
 望月家と松尾家の境界である山頂では、松尾家の牢づくりの計画が噂され、小屋に人足が泊まり込んでいた。人足が小屋で殺され望月の犯行という者があったが、小屋にいたのは江戸から連れてきた無頼の者たちであり、松尾側から殺しの犯人が上がっていくのを文吉は見ていた。
 望月家では、金山の友人たちが二人殺され、調べをする市九郎を襲った畑中が通う石場道場の師範代が捕まった。奉行所は師範代による金山への女のことによる遺恨ということで調べが終わった。
 市松が世話になった甚吉と甚之助親子の確執が納まり、甚之助に自信ができ、嫁も決まった。
 

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