評定所留役秘録 父鷹子鷹 牧秀彦
結城家 直参旗本百五十俵。松平定信に家中から引き上げられ幕臣になった。定信の罷免後もそのまま。
結城峰太郎56才 勘定奉行配下「鷹」といわれた。評定所留役を務め五年前に息子に譲り隠居する。
結城新之助25才 評定所留役 三年の見習いを終え、本役になり二年目。調べに弟の力を借りる。
結城小次郎20才 新之助の弟
結城春香 妹
新之助は十人の貰い子を殺した辻番の与吉の詮議をし、所見を出すことになった。市中引き回しと磔と獄門。新之助は本当に与吉がやったのだろうかと疑問を持った。南町奉行・根岸肥前守から罪一等を減じ亡骸を下げ渡すようにと横槍が入る。
峰太郎は根岸肥前守に呼び出され、松平左京・旗本五千石から罪一等を減じるようにと横槍が入ったことを相談する。したくないので、まだ評定所送りにしていない。若い旗本を使って暴れまわられるかもしれない。
左京の取り巻きが町人をいたぶっている場に居会わせた小次郎は三人と喧嘩した。新之助は左京の在りようを評定所に出すために弟の喧嘩を口実に左京を評定所に呼び出した。辻番小屋の後ろが松平左京の屋敷と繋がっており松平家でなされたことだと判った。
評定所では老中等は松平左京に丸め込まれ詳しく評定されず与吉の有罪にされ磔と決まった。与吉の息子・大吉が約束が違うと、新之助の命を狙い捕まり本当のことを白状する。
将軍・家斉の下には御庭番より松平左京並び奥方・照日の犯行が知らされる。子が授からなかった照日は心が壊れた。照日に子供を渡すが、自分の子でないと次々と殺してしまった。家斉は左京を謹慎にし、屋敷に二人だけにする。
根岸の命を受け、峰太郎は左京を殺しに行く。気がついた二人も共に行くが、照日が薬を盛り、二人は死んでいた。
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