2019年1月5日土曜日

表御番医師診療禄〈十二〉 根源 

表御番医師診療禄〈十二〉 根源 上田秀人
 表御番医師・矢切良衛は綱吉の食事の味付けが将軍職に就くより以前から何者かの命令で濃い塩気の多い物にされていたことが分かった。良衛は綱吉の兄にあたる甲府宰相の死にも繋がるのではないかと考え、甲府のことも調べたいと思った。良衛は伝の方に相談する。伝の方は綱吉の御台所・鷹司信子に相談するように言う。甲府の正室は信子の又従姉妹・煕子だった。良衛は信子からの病気見舞いという形で甲府家に行く。煕子は二ヶ月で娘を亡くしていた。
 良衛が甲府家に行ったことで動く者がでた。良衛は命を狙われた。甲府家の抱え医師で逃げようとした者が現れた。
 柳沢吉保は家光の血筋を絶やそうとしているのか徳川の血筋を絶とうとしているのか分からない。
 影の者から最後の命令が下された。矢切良衛と甲府藩医師二人、元綱吉の食事方二人の殺害。良衛だけが残った。九人が良衛を襲うことになった。黒幕は家忠の命を受けた者の子孫。
 典薬頭・半井出雲守が良衛が甲府に病気見舞いに行ったことで、典薬頭・今大路兵部大夫・良衛の義父を謹慎にした。吉保が謹慎を解いた。
 御台所の元へ、甲府からの使い・田鶴と伝と良衛が集まった。
 

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