2019年3月16日土曜日

あきない世傳 金と銀〈六〉

あきない世傳 金と銀〈六〉 本流編 高田郁
 六代目店主・智蔵が亡くなり「女名前禁止」の大坂で仮に中継ぎで足掛け三年、女子の相続を認められることになった。
 幸は江戸店の用意を急ぐ。綿に興味を持った幸は太物の勉強を始める。結も生まれ故郷・津門村の綿の勉強をする。江戸へ行きたいと幸に申し出る。
 智蔵の一周忌の法要が終わった頃、縮緬を作ろうとしていた波村が、五鈴屋のために縮緬が出来なくなった。藩の助成を受けて、近隣の村が足並み揃えて縮緬作りに乗り出す事になった。今まで通り、五鈴屋のために羽二重は作ってくれるという。幸は長浜の縮緬がうまくいきますようにと言い承諾した。
 江戸浅草の浅草寺近くの太物商「白雲屋」を居抜きで買う事になった。伊勢木綿を扱う店だった。皐月、幸は片腕として竹58才を連れていく。二十日掛かって江戸に着く。見通しが付くまで、佐七、賢吉、竹、幸の四人で店をやっていくつもりだ。白雲屋夫婦は跡継ぎを亡くし郷里伊勢へ帰る。土蔵の中の伊勢木綿の説明を聞き、扱うつもりがあるなら手助けをするという。師走14日に開店することにした。店前現金売を行う。
 文月、お客様に見えやすいように反物を縦に見えるよう考える。町会の月行事が指物師を紹介してくれる。高さが違う撞木を漆を塗って仕上げてもらう。
 塵、埃を払うために、細く裂いた古絹を先に付けた「さいはらい」を考え出した。
 長月、大坂から、手拭いが届く。五鈴屋の暖簾と同じ色、五つの鈴が染め抜かれている。田原町 五鈴屋と屋号が二ヶ所に入っている。四人で神社仏閣の水場に奉納した。
 神無月 風呂屋で五鈴屋の店が話題になっていた。店は未だない。
 霜月 土蔵に反箱が並ぶ。
 師走 撞木の反物を掛ける。佐七は支配人・佐助、賢吉は手代・賢輔、小頭役・竹となる。14日 呉服太物 五鈴屋が誕生した。毎月14日は、帯の結び方の講習会を開くと発表する。
 

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