2019年3月18日月曜日

聡四郎巡検譚 三

聡四郎巡検譚三 動揺 上田秀人
 道中奉行副役・水城聡四郎と大宮玄馬は伊賀者に襲われる。最後の跳ねっ返り逸造を討つ。伊賀の郷は新しい頭領を定め、商人となって金を稼ぐ者と伊賀に残り先祖の技を受け継ぐ者に分ける事にした。全国のあらゆる事を知っていた頭領は皆を操るだけで余分なことを一切考えないように仕込んでいた。老忍・山路兵弥と播磨麻兵衛、袖の妹・菜は聡四郎と共に行動する事にした。
 京に入った聡四郎は、京都所司代・松平伊賀守に挨拶に行く。松平伊賀は綱吉に引きたてられたが、家宣時代に罷免されていた。吉宗に京都所司代に抜擢された。伊賀守に手形を貰い山路と菜を江戸へやった。山路は藤川義右衛門を倒しに、菜は大奥へ入れるつもりだ。
 聡四郎は伊賀守から話を聞き、御所を見、禁裏付を見る。旅籠から京都所司代下屋敷の長屋に移った。
 聡四郎は何をすれば良いか、どこに行けば良いか迷いながら知っている竹姫の実家清閑寺権大納言家に行き、紹介された丸太町の出雲屋へ行く。後を付けていた南北両奉行所の同心たちは奉行に報告し、あたふたする。
 吉宗は御休憩の間で、庭を介して対面する黒書院に隠れていた尾張藩の侍に庭から襲われた。御庭者では人数が足りなくて阻止出来ず、吉宗の小姓が斬られ、吉宗が自ら侍たちを斬り伏せた。斬られた小姓は病気として屋敷に返し、何も無かったこととして納めた。
目付・野辺三十郎は変わった動きをする黒書院の侍の動きを知っていた。庭から出た事を知らず、手柄にしようとして期を逃し、知っていて何もしなかった事だけが残った。吉宗に強引に会いに行き、目付を罷免された。
 吉宗は尾張藩付け家老・成瀬隼人正を呼び、在ったことを話す。吉宗は権中納言がどう動くか考える。左近衛権少将を差し出すだろう。吉宗は主計頭を鍛えるつもりでいる。

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