2020年12月25日金曜日

若鷹武芸帖③ 姫の一分

若鷹武芸帖③ 姫の一分 岡本さとる

 公儀武芸帖編纂所頭取・新宮鷹之介は将軍・家斉から大奥の女中たちの薙刀指南ができる若い 女子を探すことを命じられる。

 二年前、九州の五万石の大名・藤浪家の十八才の姫さまが、殿様を篭絡し専横を極める江戸家老を御家に巣くう奸賊として薙刀で三人を誅殺するという事件があったことを知る。家は断絶した。姫は家斉の指図で自儘にしている。武芸帖編纂所のみなで姫を探すことにした。

 姫は家臣が始めた植木屋にいた。姫の閉ざした心を徐々に開けていく。姫を仇と狙う家老の親戚筋の男が姫を勾引かす。卑怯な試合を挑むが現れた新宮鷹之介により公平な試合となり姫が勝つ。姫は赤坂丹後坂の武芸帖編纂所に行く。家斉の御前で演武を披露し、知行三百石で大奥の女中達への武芸指南をすることになった。

 もともと家斉は鈴姫を引き立てる目論見だったようだ。

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