紅雲町珈琲屋こよみ⑧ 初夏の訪問者 吉永南央
紅雲町で親切な人と評判の五十過ぎの男が、小蔵屋に来て「良一です」と名乗った。村岡家の女中だった丹野キクの息子・学として育ったという。草は詐欺を疑った。
草は一ノ瀬と一緒に米沢へ行く。草はキクに会う。キクは学がぐれた時、芸術を愛する両親の息子ということを彼の支えにしたことを話した。学本人には草が実母ということは、本当のことだった。キクは息子に本当のことを話した。学から謝りの電話があった。
兄が宇佐木眼科、弟が薬局を開いている兄弟だが、弟がアル中だった。弟が小蔵屋で何かする度に兄が謝りに来る。草が亡くなったという誤報を読みショックを受けた弟は、草の引き裂いた着物の片袖を額に入れ新潟の病院に入院した。
一ノ瀬と久実は、知人のマンションを一年借りることができた。一年のお試しになっている。一ノ瀬は久実に内緒で実家の仕事を助けている。久実は山に行っていると思っている。
小規模マンションの一階に店を構えるもり寿司は、客が減り、怪しげな会社や団体の販売や集いに利用されている。子供を宿した妻・江子は店を辞め、一階に内科と眼科クリニックが入るマンションに変えた。
戦争画を描いた父親を恥ずかしいと感じていた石井は、長野のに引っ越したが、もりマンションに入りたいと連絡してきた。江子が別居していた部屋が空きしだい帰ってくることになった。
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