若鷹武芸帖⑤ 二刀を継ぐ者 岡本さとる
公儀武芸帖編纂所で二刀を調べることになった。かって松岡大八は宮本武蔵に心酔し二刀流・円明流を追求していた。十年前、道場が寂れ閉めざるをえなくなり松岡は廻国に出た。稽古に没頭し娘・千代が池に行ったことを把握せず、沼地で見つかった千代は発熱し、身罷った。ために妻・八重と離婚したという経歴を持つ。
大八は最後まで残った二人の門弟を探す。一人目、桑原千藏は、町人のまとめ役のようなことをしていたが、八重が働いている義弟の医者の難儀を救うため内緒で働き足に傷を負い、今では博打場の下駄箱係をしていた。千藏を救い出し書店を開く。
二人目・小谷長七郎は二刀流を極め旗本の元で闇試合を行っていた。大八と試合することを願ったが、闇試合に敗れた者の弟との試合で半弓に狙われ怪我をする。鷹之介たちの前で試合には勝が、右腕は元のようにはならなかった。武芸帖編纂所は長七郎から二刀流の修練をきくことができた。今度は片手で立合える新たな道を探るという。
大八は妻とも会った。娘・千代の墓に参った。
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